ニッカウヰスキー宮城峡蒸溜所:工場見学ツアーで乾杯!【1】
Guideto Japan
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竹鶴が夢見た未来を実現する宮城峡蒸溜所
仙台市街地から車で約1時間、山形県との県境に近い緑豊かな渓谷にある「ニッカウヰスキー宮城峡蒸溜所」(青葉区)。近年の世界的なジャパニーズウイスキーブームもあり、工場内をめぐる見学ツアーが人気となっている。
宮城峡蒸溜所は、「日本のウイスキーの父」と称される竹鶴政孝(たけつるまさたか、1894-1979)が、北海道の余市(よいち)蒸溜所に次いで1969年に操業させた。約20万平方メートルもの広大な敷地内には、乾燥棟「キルン塔」や蒸溜棟、貯蔵庫など20以上もの施設が立ち並ぶ。「自然を大切にしなければおいしいウイスキーは造れない」という竹鶴の信念から、周囲の環境と地形を最大限に生かして設計され、敷地内に広がる日本庭園は西洋風の赤れんが造りの工場と美しいコントラストを成している。
見学ツアーは午前9時から11時30分、午後は0時30分から3時30分までの30分おきにスタートし、所要時間は約70分。集合場所のビジターセンターには、ウイスキーの製法や種類に関する展示コーナーがあるので、ツアー開始前にチェックしておけば工場見学をより楽しめる。
宮城峡蒸溜所の歴史を紹介する動画を鑑賞してから、ガイドの解説を聞きながら各施設を回っていく。山場となるのは蒸溜棟だ。胴が丸く膨らんだ「バルジ型」と呼ばれる蒸溜器が並び、芳醇(ほうじゅん)な香りが漂う。
余市のモルトウイスキーは石炭直火蒸溜による重厚感のある味わいが特徴だが、宮城峡では間接蒸溜を採用。130度の低温で8時間じっくり熱し、華やかでまろやかなモルトに仕上げている。「異なる蒸溜所で生まれた複数の原酒をブレンドすることで、ウイスキーはより味わい深く豊かになる」という、竹鶴の理想を実現したのだ。
最後に訪れる、オーク材の樽がぎっしりと積まれた貯蔵庫も興味深い。甘い香りを生成するために焼かれた樽の内側を見たり、熟成年月による色や香りの違いを比較したりすると、ウイスキーは寝かせるほどに樽の成分から大きな影響を受けることを理解できる。
見学後はウイスキーのテイスティング
見学後には、ゲストホールで試飲タイム。用意されているのは、ブレンデッドウイスキーの「スーパーニッカ」、フルーティーな「シングルモルト宮城峡」、まろやかな甘みのある「アップルワイン」の3種類。1人各1杯を試飲でき、氷や水も準備されている。ウイスキーそのものの香りを享受するならストレート、軽やかに味わうならロックや水割りで——と、好みの飲み方で楽しもう。
併設するショップでは、ウイスキーはもちろん、チョコレートボンボンやウイスキーに合うおつまみなどの土産物がそろう。ブレンド前の原酒も工場限定で販売しており、有料で試飲することも可能だ。
【DATA】
- 住所:宮城県仙台市青葉区ニッカ1
- アクセス:JR作並駅から車で10分
- TEL:022-395-2865
- 営業時間:午前9時〜午後4時30分(見学案内は午前9時~午前11時30分、午後12時30分~午後3時30分)
- 定休日:不定休
- 料金:無料
取材・文=シュープレス
(バナー写真=ニッカウヰスキー宮城峡蒸溜所にある有料のテイスティングコーナー 写真提供:仙台ニッカサービス)