日本一高いビル「あべのハルカス」から西の都・大阪を見晴らす
Guideto Japan
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密集する建造物が生む、美しい大阪のパノラマ
2014年3月に完成した「あべのハルカス」(大阪市阿倍野区)の高さは300メートル。1993年竣工の横浜ランドマークタワー(296メートル)を抜き、現時点で日本一の超高層ビルだ。
ドバイのブルジュ・ハリファ(828メートル)を筆頭に、世界の超高層ビルは500メートル超時代に突入している。日本は人件費が高く、工費が割高なうえに、地震対策にも膨大なコストがかかることや、航空法による高さ制限が厳しく、世界トップクラスには及ばない。ただ、海側の狭い平地に人口が密集する都市構造のため、高層ビルから見下ろす夜景の美しさは、外国人観光客からも高い評価を得ている。
あべのハルカスがある天王寺エリアは、大阪都心の梅田エリアから5キロ南側にあり、下町風情を残す街だ。「梅田スカイビル」展望台も大阪の絶景ポイントとして有名だが、高層ビル群の中にある梅田スカイビルと、視界を遮るものが少ないあべのハルカスの展望台からの眺望は趣が違うので、旅程に余裕のある人は両方に上ってみてほしい。
アクセス抜群で、展望台以外の施設も充実
「あべのハルカス」は、近鉄百貨店阿倍野本店が入っていた「阿部野橋ターミナルビル」を建て替えて建設された。計画当初から「日本一」を目指したわけではないのだが、07年3月に大阪国際空港の規制緩和があり、ランドマークタワー超えを目指す計画に変更した経緯がある。
近鉄・南大阪線「大阪阿部野橋」駅、JRと大阪メトロの「天王寺」駅、阪堺電車の「天王寺駅前」駅が利用可能で、アクセスは抜群だ。
「ハルカス」は、「人の心を晴れ晴れとさせる」の意味がある古語の「晴るかす」に由来するという。低層階は営業面積日本最大の百貨店「あべのハルカス本店」、中層階はオフィスエリアと「大阪マリオット都ホテル」が入居し、最上部の58-60階は展望台「ハルカス300」である。
日本一の高層ビルを体感できる回廊や庭園
ハルカス300へは、地下1階または2階から「ハルカスシャトルエレベーター」で向かう。16階に展望台の入場ゲートがあり、チケット(当日券は大人1500円)を購入して専用エレベーターで最上階まで一気に上がる。
60階は360度ガラス張り、一周175メートルの「天上回廊」。晴れた日には大阪のみならず遠く、神戸、和歌山まで見渡すことができる。
1日に何度でも再入場が可能な「1dayチケット」(大人1950円)なら、ショッピングや食事を挟みながら、「遠くまで見渡せる昼間の眺望」「夕暮れ時の空」「きらめく夜景」と、時とともに移りゆく絶景を満喫できる。
日本一の超高層を肌身で感じたい人には、「エッジ・ザ・ハルカス」がおすすめ。ビルの最上端にあたる地上300メートルに設置された幅約60センチ、長さ20メートルのデッキ上を歩くアトラクションだ。命綱を装着し、落ちることはないと分かっていても、思わず手すりを強く握りしめたくなるほどのスリル。
58階にある「天空庭園」は屋根のない開放的なウッドデッキ。併設のカフェダイニングバー「SKY GARDEN 300」で軽食を買って、地上300メートルのオープンカフェからのんびりと下界を見下ろしてみるのもいい。ここでしか食べられない「パインアメソフトクリーム」は、地元・天王寺のパイン株式会社の看板商品「パインアメ」とのコラボで、子どもの頃を思い出す昔懐かしい味わいだ。
東京でも23年には虎ノ門・麻布台地区の再開発で330メートル、27年に東京駅日本橋口前に390メートルのビルが誕生する予定だ。「日本一」の座は奪われてしまうが、西の都を一望するには、あべのハルカスへ!
【DATA】
- 住所:大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43
- ハルカス300営業時間:午前9時から午後10時(最終入場は午後9時30分)
- ハルカス300入場料:当日券=大人1500円、中高生1200円、小学生700円、幼児 (4歳以上) 500円 1dayチケット=大人1950円、中高生1650円、小学生950円、幼児750円
- エッジ・ザ・ハルカス参加料:1000円 ※記念写真1枚と写真データがもらえる
- アクセス:近鉄・南大阪線「大阪阿部野橋」駅、JR大阪環状線・関西本線・阪和線「天王寺」駅、大阪メトロ御堂筋線・谷町線「天王寺」駅、阪堺電気軌道「天王寺駅前」駅、徒歩すぐ
取材・文=藤井 和幸(96BOX)
写真=黒岩 正和、藤井 和幸(96BOX)
(バナー写真=通天閣から撮影したあべのハルカス)