日本の新たな台所、豊洲市場へ行こう!:「見学者コース」紹介

2018年10月に開場した豊洲市場(東京都江東区)は、観光客にはうれしい「見学者コース」が整備されている。マグロの競りからプロが利用する専門店街、豊洲グルメまで、見て食べて買って楽しむ人気スポットを紹介。

駅から専用通路で直行できる豊洲市場

築地市場(中央区)から83年ぶりに移転し、昨年10月に開場した「日本の台所」豊洲市場は、既に人気の観光スポットとなっている。日曜・祝日や水曜の休市日以外(※1)、午前5時から午後5時まで、入場無料の「見学者コース」を巡ることができるのだ。

訪れるには朝早めに起きて、新交通「ゆりかもめ」の「市場前」駅で下車するのがおすすめ。目の前には近代的なビルが左右に広がる。市場は道路で3分割されており、青果棟がある5街区と水産仲卸売場棟がある6街区、7街区には水産卸売場棟や管理施設棟がある。

赤い矢印が豊洲市場の見学者コース
赤い矢印が豊洲市場の見学者コース

ゆりかもめの「市場前」駅。屋根付きの歩行者デッキで各棟に渡れるので、雨の日の観光もスムーズ
ゆりかもめの「市場前」駅。屋根付きの歩行者デッキで各棟に渡れるので、雨の日の観光もスムーズ

改札を出ると、左前方に管理施設棟(写真では右奥)が見える。マグロの競りが見たい人は、まずはこの建物を目指そう
改札を出ると、左前方に管理施設棟(写真では右奥)が見える。マグロの競りが見たい人は、まずはこの建物を目指そう

改札階からは、各棟につながる高架式の専用通路が設けられている。改札から出て通路を左前方へ進めば、7街区の管理施設棟3階に直行可能だ。入り口を抜けると、まずは飲食エリアがあり、6軒のすし店をはじめ、とんかつ店やイタリアン、コーヒーショップなどが営業し、一般客のほか市場関係者も朝食をとる姿が見られる。その奥はPRコーナーで、卸売市場の歴史や仕組み、豊洲市場の特徴などを展示パネルと写真で学べる。

管理施設棟の飲食店舗エリア。すし店は早めの時間に行かないと、人気のネタが売り切れになることも
管理施設棟の飲食店舗エリア。すし店は早めの時間に行かないと、人気のネタが売り切れになることも

卸売市場の仕組みが学べる豊洲市場PRコーナーの入り口
卸売市場の仕組みが学べる豊洲市場PRコーナーの入り口

PRコーナーには築地市場開設時の資料写真なども展示されている
PRコーナーには築地市場開設時の資料写真なども展示されている

迫力あるマグロの競りを見学

管理施設棟には3階から水産卸売場棟の2階に通じる連絡通路があり、卸売場棟に入ると豊洲市場を500分の1に縮小した模型が展示されている。左側には巨大なクロマグロのオブジェがお出迎え。1986年4月に築地市場に入荷した496キロ、体長2メートル88センチという同市場最大のマグロを原寸大で再現。その前にはたくさんの人だかりができ、記念撮影は順番待ちになることもしばしばだ。

管理施設棟から水産卸売場棟まで連絡通路が伸びる
管理施設棟から水産卸売場棟まで連絡通路が伸びる

巨大なクロマグロのオブジェは人気の写真スポット
巨大なクロマグロのオブジェは人気の写真スポット

その先を行くと、日本橋市場が関東大震災を機に築地に移転した経緯などを示す資料が展示され、市場の歴史を写真で振り返ることができる。左側の窓越しには1階のマグロ卸売場を見渡せ、早朝なら真っ白な冷凍マグロが整然と並んでいる。一本一本競りにかけられる場面が見られ、多くの見学者が窓際にくぎ付けとなっている。

2階通路からはマグロの競りが見物できる。右側の壁には、市場の歴史が学べる写真が展示され、解説文が添えられている
2階通路からはマグロの競りが見物できる。右側の壁には、市場の歴史が学べる写真が展示され、解説文が添えられている

通路から見下ろすと、冷凍マグロがズラリと並ぶ。競りは朝5時半ごろから始まり、どんどんマグロが運び出されていくので、なるべく早い時間に訪れよう
通路から見下ろすと、冷凍マグロがズラリと並ぶ。競りは朝5時半ごろから始まり、どんどんマグロが運び出されていくので、なるべく早い時間に訪れよう

値段交渉の方法「手やり」についてなど、見学がより楽しめる英語併記の解説ボード
値段交渉の方法「手やり」についてなど、競り見学がより楽しめる英語併記の解説ボード

見学通路のほか、2019年1月15日からは1階に下りる直前にある専用デッキで、冷凍マグロなどの見学が可能になった。利用は築地の先着制からWEBでの事前申込制に変更され、半月以上前に見学希望日や見学者の名前を登録してエントリー。応募が定員120人を超えた場合は抽選になる。見学時間は5時45分~6時15分。最大60人ずつの2交代制。

見学デッキは高さ約2メートル。2階通路から見下ろすのとは異なり、間近で競りを見学できる。前面はガラス張りだが上部が少し空いているため、競りの開始を告げる鐘の音や、競り人などの掛け声が聞こえる。市場特有のにおいもして臨場感たっぷりだ。

見学デッキからのマグロ売場の眺め。2階通路からは見えない左奥には、生マグロも置かれている
見学デッキからのマグロ売場の眺め。2階通路からは見えない左奥には、生マグロも置かれている

競りが始まる前には、仲卸業者や売買参加者が慎重にマグロの下見を行う
競りが始まる前には、仲卸業者や売買参加者が慎重にマグロの下見を行う

活気ある競りの風景。マグロ1本の値段が3~5秒程度で次々と決められていく
活気ある競りの風景。マグロ1本の値段が3~5秒程度で次々と決められていく

見学デッキの上部にはガラスがないので、競りの音やにおいが伝わってくる
見学デッキの上部にはガラスがないので、競りの音やにおいが伝わってくる

(※1) ^ 休市日は東京都中央卸市場公式ホームページで確認してください

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