三重・英虞湾:真珠を育むリアス式海岸の絶景
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美しい夕景で知られる真珠の一大生産地
日本を代表するリアス式海岸の一つ、三重県志摩市の英虞湾。志摩半島南部に位置し、湾内には大小60の島が浮かび、複雑な海岸線と共に美しい景色を織りなす。特に、夕日や朝焼けは絶景と名高く、「日本の夕陽百選」にも選出されている。
伊勢志摩国立公園の一部で、真珠の一大産地でもある。奈良時代からアコヤガイから採れる真珠を出荷し、明治末期に志摩半島で真円真珠の養殖技術が確立されると、真珠養殖の中心地として世界的に知られるようになった。
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サミット会場になった賢島には特急が運航
奥志摩観光の玄関口ともいえる賢島(かしこじま)は、2016年に第42回先進国首脳会議(伊勢志摩サミット)が開催された志摩観光ホテルがあることで有名だ。
本州とは賢島大橋でつながっており、島内には近鉄志摩線の賢島駅も存在する。2013年からは、大阪難波と京都、近鉄名古屋の3駅から賢島駅を結ぶ観光特急「しまかぜ」が運行し、アクセスが容易になった。観光スポットとしては、マンボウの泳ぐ水族館「志摩マリンランド」が人気である。
賢島港から遊覧船に乗れば、海上から英虞湾を眺めることができる。約50分間の「賢島エスパーニャクルーズ」では、展望デッキから雄大な景色を楽しめ、アコヤガイへの核入れ作業を見学できる真珠モデル工場にも立ち寄ってくれる。
のんびりと自然景観が楽しめる間崎島と横山島
あご湾定期船で賢島から約10分の間崎島は、英虞湾のほぼ中央に位置する。かつては真珠養殖で栄えたが、近年は高齢化が進み、80人ほどの島民が暮らすのどかな島となった。
民家は南西部に集まっているので、自然が多く残る。間崎島ビーチは海水の透明度が高く、波も穏やかなのでシュノーケリングやカヌーに最適だ。
賢島の遊覧船乗り場から、すぐ対岸に見える横山島。屋根に大きく「石山荘」と書かれた、島に1軒だけある民宿が目印だ。島へは自家用船で渡るので、ここへの宿泊客以外が横山島へ行くことは難しい。施設内はバリの調度品や観葉植物が飾られた南国風で、聞こえてくるのは桟橋にあたる波や、時折通る漁船の音くらい。日常を忘れ、ゆったりとした時間を過ごすことができる島だ。
取材・文・写真=黒岩 正和(96BOX)
(バナー写真=英虞湾の美しい夕景)