栄養抜群のスーパーフード「乾燥湯葉」の魅力:京都「千丸屋」

・驚きの美容効果も。大豆の栄養が凝縮された湯葉
・お手軽鍋ランチで、乾燥湯葉をおいしく味わう
・アイデア次第で、乾燥湯葉の可能性は無限大

手軽な鍋で乾燥湯葉の奥深さを知る

現在は生湯葉が圧倒的な人気を誇るが、越智さんが力を入れているのは「乾燥湯葉」。冷蔵技術がなかった昔は、当然こちらが主流だった。干すことで長期保存が利き、うまみや栄養素がぎゅっと凝縮されるため、独特の風味を味わうことができる。だしやスープの中にポンと入れるだけで、手早く簡単に調理できるのもうれしい。忙しい現代だからこそ、再評価されるべき万能食材なのだ。

「この魅力を若い世代や海外にも伝えたい」と、千丸屋は2017年からランチ限定で湯葉鍋の提供を店内でスタートした。

だしを注ぐ前の鍋の中。この上に大きな湯葉を乗せて火にかける

使う具材は乾燥湯葉の他、鶏肉やしめじ、白ネギ、水菜と、家庭で簡単にそろえられる食材ばかり。だしは、昆布を一晩水にひたしておいたものを注ぐだけ。このシンプルさは、良質な大豆と水で作り上げた湯葉の味に自信があるからこそ。

大きな湯葉がぷっくり膨らんだら食べ頃

ランチ限定の湯葉鍋。湯葉の炊き込みご飯、デザート付きで1800円(税抜き)

具材は、だし醤油やわさび、おろし生姜であっさりといただく。鶏肉や野菜のエキスをたっぷりと吸った湯葉をひと口かみしめると、大豆のうまみが口の中に広がっていき何とも美味。むっちりとした弾力感も心地よく、食べ応えも抜群だ。

湯葉の炊き込みごはんと呉汁に寒天を加えたデザート

千丸屋8代目の越智忠弘さん

「大豆100%の食材なので、イタリアンやエスニックとの相性もいいですよ」と越智さん。例えば、細麺のような「巻ゆば」をパスタに見立てたり、フラットな「大原木ゆば」で魚介や野菜を生春巻きのように巻いたりしてもおいしいと言う。素揚げしてチップスにすれば、お酒のアテにもぴったり。

実は現在、海外向けに乾燥湯葉を使った「和風シリアル」を開発中だという。「TOFU」のように、「YUBA」が世界を魅了する日も近いかもしれない。

千丸屋本店。錦市場の近くに店がある

【DATA】

千丸屋

  • 住所:京都市中京区堺町通四条上ル
  • TEL:075-221-0555
  • アクセス:地下鉄四条駅より徒歩7分
  • 営業時間:販売=午前10時〜午後6時、食事=午前10時〜午後3時ラストオーダー
  • 定休日:水曜日
  • 公式ホームページ:http://www.senmaruya.co.jp/

取材・文=山口 紀子
写真=山崎 純敬

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