日本三景 松島:伊達家ゆかりの「五大堂」「瑞厳寺」「円通院」を訪ねる
Guideto Japan
・大改修を終えた「瑞巌寺(ずいがんじ)」の本堂は必見
・「円通院」で庭園を眺め、数珠作り体験を
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東北最古の桃山建築「五大堂」
俳聖・松尾芭蕉が「おくのほそ道」の旅で訪れ、絶景に感嘆したという松島。そのシンボル的な存在である五大堂は、海に突き出すように、朱色の橋でつながれた小さな島に建つ。現在のお堂は、仙台藩祖・伊達政宗が1604年に造営したもので、東北地方に現存する最古の桃山建築となっている。
お堂の4面には、方角に従って十二支の彫刻が施されている。繊細な透かし彫りの手技によって、竜や猿など動物たちの姿が見事に浮かび上がる。
【DATA】
五大堂
- 住所:宮城県宮城郡松島町松島町内111
- アクセス:JR「松島海岸駅」から徒歩10分
- TEL:022-354-2023(瑞巌寺)
- 開館時間:午前8時~日没
- 定休日:なし
- 料金:無料
名工たちが築いた伊達家の菩提(ぼだい)寺「瑞巌寺」
828年に慈覚大師円仁(じかくたいしえんにん)が開山し、1609年に伊達政宗が再興した瑞巌寺。130人もの名工が諸国から招かれ、当時の最高の材料と最新の技術を用い、5年の歳月をかけて完成させたという。境内に現存する本堂と庫裏(台所)は国宝に指定されている。
政宗の高い美意識を体感できる本堂は、6年半の大改修を終えて2016年に拝観を再開。内部にある10室の襖(ふすま)や床の間は、きらびやかな金箔(きんぱく)で飾られ豪華絢爛(けんらん)。松と孔雀(クジャク)、紅白のツバキ、天女なども美しく描かれている。
【DATA】
瑞巌寺
- 住所:宮城県宮城郡松島町松島町内91
- アクセス:JR「松島海岸駅」から徒歩7分
- TEL:022-354-2023
- 開館時間:4月~9月:午前8時~午後4時30分、3月と10月:午後4時まで、12月~1月:午後3時まで、 2月と11月:午後3時30分まで(閉門は各30分後)
- 定休日:なし
- 料金:大人700円、小・中学生400円
- 多言語対応:ホームページ=英語、パンフレット=英語/中国語(繁体)/韓国語
静寂に満ちた枯山水の庭が美しい「円通院」
19歳の若さで亡くなった政宗の孫、光宗の霊廟(れいびょう)「三慧殿」がある円通院。厨子(ずし)の扉にはバラやクローバーが描かれており、西洋文化の影響がうかがえる。境内には4つの庭園があり、松島の絶景を模した石庭「雲外天地の庭」や、バラが咲くバロック風の「白華峰西洋の庭」など趣がそれぞれ異なる。秋には紅葉ライトアップも開催され、見物客でにぎわう。
禅寺らしい落ち着いた雰囲気の本堂では、オリジナルの数珠作りが体験できる。木箱の中には天然石を中心に、ガラスやプラスチックの数珠玉が色とりどりに並び、好きな石や色を選んで作成していく。天然石コースに参加すれば、使用した石が持つ効力や暗示する未来について解説してもらえる。
【DATA】
円通院
- 住所:宮城県宮城郡松島町松島町内67
- アクセス:JR「松島海岸駅」から徒歩5分
- TEL:022-354-3206
- 開館時間:午前8時30分~午後5時(12~3月は午前9時~午後4時)、数珠作り体験は午前9時~午後4時(12~3月は午後3時まで)
- 定休日:なし
- 料金:大人300円、高校生150円、小・中学生100円
- 多言語対応:パンフレット=英語/中国語(簡体)/韓国語、スタッフによる案内=土・日曜などの週末を中心に英語対応の場合あり
取材・文・写真=シュープレス
(バナー写真=松島のシンボル的存在である五大堂。写真:シュープレス)