【フレンチのモーツァルト】ライカ北紀行 ―函館― 第94回
Guideto Japan
旅 食- English
- 日本語
- 简体字
- 繁體字
- Français
- Español
- العربية
- Русский
函館山のふもと、青柳町の電停をおり、ゆるやかな坂をのぼっていくと、閑静な住宅街の一角に白い洋館がある。唐草館。
今日は軽めのランチ。第1楽章は赤カブのスープ。第2楽章は鴨のローストと王様椎茸。
心地よい味がつづく。これはフレンチのモーツァルトだ。しかも、僕の好きなピアノ協奏曲第27番。鴨と椎茸とやわらかなソースが極上の味わいを奏でる。
オーナーシェフ丹崎仁(たんざき ひとし)は北海道岩見沢出身。フランスにわたってパリ、ローヌで研鑽(けんさん)をつみ、そのあと箱根のホテルで料理長をつとめた。20年ほどまえに唐草館をオープン。
マダムでシニアソムリエの丹崎文緒は函館出身。パリのレストラン、パティスリーで学んだ。夫婦でいとなむフレンチの名店。ミシュランガイドにも掲載されている。
医院として建てられた築65年の木造建築に手を入れて2000年に開業。函館市都市景観賞を受賞している。
地場の食材にこだわる。店から歩いて10分の海は、ウニとアワビの好漁場。シェフは朝とれたての鮮度抜群のアワビに腕をふるう。そのアワビを使った「アワビのポアレ 香草ソース」、近々味わいたい。
ワインセラーをのぞけばフランスワインがぎっしり。マダムが客の好み、値段を聞いて選んでくれる。
締めの第3楽章はサヴァラン。ケーキのなかでもフランスの伝統菓子、ラム酒たっぷりのサヴァランが何より好き。とびきりのサヴァランを堪能でき幸せであった。
パティシエでもあるマダムがフランスで学んだ恵みなのだ。
●道案内
唐草館 市電「青柳町」下車、徒歩1分(地図へ)