【無垢里】 ライカ北紀行 —函館— 第22回

西野 鷹志 【Profile】

清々しく、しかも長い時をかさねた空気がただよっている。明治なかごろの蔵そのままの「茶房 無垢里(むくり)」。

無垢里(2016)
無垢里(2016)

函館の豪商の別宅として建てられ、大正半ばに増毛(ましけ)の造り酒屋が主となり、戦後、銀行支店長宅、女学校の寮……と時代の波を乗りこえて、現在の輪島・加藤さん姉妹の二家族の手に納まった。

母屋は昭和初めの建築。右奥が明治の頃の蔵
母屋は昭和初めの建築。右奥が明治の頃の蔵

蔵は隅々まで磨きあげられ、そのたたずまいが人をひきつける。「畳に座りたい」と、海外からも客が訪れる。

そうめんとおむすび
そうめんとおむすび

●道案内
市電 「末広町」下車、徒歩5分(地図へ

「ライカ北紀行 —函館—」作品一覧はこちら

    この記事につけられたキーワード

    観光 北海道 函館市 グルメ 喫茶店・カフェ ライカ北紀行

    西野 鷹志NISHINO Takashi経歴・執筆一覧を見る

    1941年東京生まれ。エッセイスト・写真家。函館中部高校を経て慶応義塾大学経済学部卒。30代半ばで郷里に戻り、函館山ロープウェイを経営する傍ら、日本初のコミュニティFM放送「FMいるか」を創設。北海道教育委員や女子高の理事長、函館のタウン誌「街」の発行人もつとめるなどその活躍は多彩。愛用のカメラ、ライカを肩に北の港街をモノクロで撮り続けて30年。『ウイスキー・ボンボン』『風のcafé 函館の時間』など多くの著書がある。

    このシリーズの他の記事