訪日観光客に教えたいコンビニエンスストア活用術[便利編]

日本の主要都市や繁華街だけでなく、どの地方や観光地に行っても、大抵は近くにあるコンビニエンスストア。販売している多彩な商品もさることながら、その名の通り「便利」な独自のサービスがあり、旅行者の「困った」や「あるとうれしい」に対応してくれる。

日用消耗品から薬まで旅の必携品がそろう

コンビニでは歯ブラシやマスク、化粧品、タオルなどの消耗品から、衣類や雨具、手袋やニットキャップといった防寒具、さらにスマートフォンの充電器や文具まで、旅行や長期出張に必要な日用品がひと通りそろう。

歯ブラシやマスク、化粧品などは種類も豊富

真ん中は、ファミリーマートが衣類メーカーと共同開発した、使い捨ての「1DAY PANTS」。ひげそりや生理用品など、使い切りタイプのものが手頃な価格で販売されている

ファミリーマートでは、「無印良品」の衣類や生活雑貨、食品を販売している。普遍的なデザインでクオリティーの高い商品は、日本国内はもちろん、アジア圏中心に世界中にファンが多い。

下着からタオルや文具まで、無印良品の商品が並ぶファミリーマート

急に体調不良になったときも、近くにコンビニがあれば心強い。栄養ドリンクやビタミン剤、整腸薬などの「第3類医薬品」は24時間いつでも購入可能だ。

ローソンの医薬品取扱店は約180店(※2018年現在)で、2021年度末までに900店に拡大する構え。薬販売に欠かせない登録販売者が在勤している時間帯は、風邪薬や解熱鎮痛剤、漢方薬などの第2類医薬品が購入できる。

ローソンの医薬品取扱店

Wi-Fiに電源スペースまでカフェ並みの快適性

ここ数年、コンビニに増えてきているのがイートインスペースだ。簡易なテーブルと椅子を置いているだけでなく、ゆったり座れるソファ席や、1フロア全体がイートインスペースになっている店もある。席によっては電源コンセントも設置されているので、快適性・利便性はカフェと比べても遜色がない。

当然、その店舗で購入した商品以外の飲食や睡眠は不可。飲酒不可や利用時間が決められているなど、店舗によってルールが異なるので注意が必要だ。

快適なイートインスペース 写真提供:ローソン

さらに、ここ数年でどこのコンビニでも無料Wi-Fiが整備されるようになった。それぞれ事前登録や接続の方法、連続して使える時間などが異なるので、事前に下記をチェックしておきたい。

セブン - イレブン「セブンスポット」
http://7spot-info.jp/7spot-guidebook_info/

ファミリーマートのWi-Fi無料インターネット接続
http://www.family.co.jp/services/smartphone/famimawi-fi.html 

ローソン「Wi-Fiサービス」
https://www.lawson.co.jp/service/others/wifi/lang/en.html

コンビニはトイレを貸してくれる店舗が多いのも助かる。ただし、繁華街などは防犯の都合でこうしたトイレが設置されていなかったり、設計上の問題で客の利用は不可の場合があったりするので、困ったときはスタッフに一声掛けてみよう。

このマークがあれば、トイレを自由に使うことができる

同時通訳サポートが受けられる店も

どのコンビニにも設置されているマルチコピー機では、コピーやファクス、スキャニングができる他、交通機関やテーマパークのチケットまで購入できる。専用アプリを使用すれば、スマートフォンにダウンロードしている地図や旅行情報、ビジネス文書などのプリントアウトが可能になる。

セブン - イレブンでは、マルチコピー機の英語対応メニューを増やしている

セブン - イレブンでは、Wi-Fi経由で使用できるスマートフォン・タブレット向けの無料アプリ「セブンイレブン マルチコピー」を提供している。はがきプリントもできるので、旅行中に撮影した日本の風景をポストカードにして、レジで切手を購入して貼ればすぐにポストに投函(とうかん)できる。

さらに、セブン - イレブンの店舗では「同時通訳」サービスが受けられる。英語と中国語に対応するコールセンターを介して、店舗スタッフとコミュニケーションが取れる。現在、スペイン語や韓国語への対応も検討中だ。

コールセンターには店舗の電話を使ってスタッフがかけてくれる

取材・文=藤谷 良介
写真=上樂 博之
(バナー写真=コンビニの医薬品販売棚)

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