訪日観光客に教えたいコンビニエンスストア活用術[食べ物編]

日本のコンビニエンスストアで、売り場の多くを占める弁当やフードは主力商品。最近はレジの周りをホットスナックが占領し、コンビニ自主開発のプライベートブランド(PB)商品も豊富で、もはや現代日本の食文化の一つと言っても過言ではない。その中でも、コンビニならではの最新の「おいしい」を紹介する。

オリジナルの“和食”商品が豊富にそろう

まず、日本のコンビニに共通するのは、フレッシュなものしか置いていないということ。弁当やおにぎりから、パン、生野菜、フルーツ、スナック、インスタントラーメンに至るまで、すべて賞味期限が厳格に管理されているので安全性は高い。

多彩な弁当とおにぎり。賞味期限は厳重に管理されているので安全バラエティー豊かな商品の中で注目すべきは、201312月にユネスコの無形文化遺産に登録されるなど、世界中で関心の高い「和食」だ。おかずとご飯がセットになった弁当、多彩な具材が楽しめるおにぎり、焼き魚や肉じゃがといった伝統的なおかず、そば、うどん、ラーメンなどの麺類まで、代表的な日本料理がそろっている。

「せっかく日本に来たのに、まだ○○を食べていない」と言う訪日観光客がいたら、コンビニをのぞいてみることをすすめるのも手だ。

「牛丼」や「親子丼」といった丼物もそろっている

多様化する時代のニーズに応えながら、コンビニそれぞれの独自のカラーを打ち出しているPB商品のクオリティーは高い。セブン - イレブンの「セブンプレミアム」やファミリーマートの「お母さん食堂」、ローソンの「ローソンセレクト」など、趣向を凝らした弁当やおかず、スイーツなど、もはや一般家庭の食卓にも欠かせない存在となっている。

弁当やおかずなどは電子レンジで温めてもらえ、インスタントラーメンに使うお湯のポットも用意されている。割り箸やスプーン、お手拭きが無料なのもうれしい。最近は、イートインスペースを設ける店が増えているので、その場ですぐに温かい食事が取れる場合もある。

セブン - イレブンの「セブンプレミアム」シリーズ。ブランド肉や国産野菜など素材にこだわった商品が多い

パッケージには、英語併記が増えている

パンもPB商品が多く、レベルが高いので朝食などに重宝する

1億本売った焼き鳥から伝統のおでんまでレジ横が充実

コンビニ独自の食べ物の中で、訪日外国人に好評なのがレジの横で販売しているホットスナックだ。コロッケや焼き鳥、から揚げなど、日本ならではのB級グルメから、おなじみのフランクフルト、フライドチキン、さらには中華料理の点心の肉まんや春巻きまで、さまざまな味が楽しめる。

ファミリーマートで人気の「炭火やきとり」は、昨年の発売以来、約半年で累計販売数1億本を突破した。

棚にない商品でもオーダーして数分待てば、その場で作ってもらえることも

ホットスナックは小腹がすいた時だけでなく、酒のつまみにも最適。左から「ファミチキ」「春巻き」、右側が人気の「炭火やきとり」

そして、レジ横に欠かせないのが、銀色の四角い容器の中で温められている「おでん」。江戸時代から親しまれる日本の伝統的なファストフードは、独特の香りが食欲をそそる。煮干しやかつお節、昆布から抽出される「だし」のスープで、魚のすり身でつくった「練り物」や大根、卵、こんにゃくといった具材を煮込む。お好みで、和からしやみそを付けて食べる。

おでんは、地域によってだしや具材が異なる。家庭の食卓にも並び、酒のつまみとしても人気がある

セルフサービスが基本だが、店員さんに頼めば容器に入れてくれる。コンビニによっては、夏場は販売していないことも

備え付けの容器にスープを入れ、好きな具材を取るセルフ方式。寒い冬は滋味深いだしの味が体を温めてくれるので、特におすすめである。

取材・文=藤谷 良介
写真=上樂 博之
(バナー写真=ファミリーマートのレジ周りに並ぶホットスナックやおでん)

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