山口県 俵山温泉:心も体も癒やされる源泉掛け流しの湯【9】

・外湯を使う古くからの湯治場スタイルを踏襲
・リウマチに効く名湯として有名
・レトロな雰囲気が訪日旅行者にも人気

湯治場の雰囲気を伝えるレトロな温泉街

山口県長門市と豊田町との境にある、一位ヶ岳の山あいに静かにたたずむ「俵山温泉」。温泉街は木屋川上流の正川沿いにあり、和風情緒あふれる木造家屋が並ぶ。そのほとんどが団体客ではなく、少人数向けに家族が経営する旅館だ。世界で最も読まれている旅行ガイドブック『ロンリープラネット』に紹介されているため、訪日旅行者にも人気が高い。

旅館「泉屋」の外観
旅館「泉屋」の室内

開湯は延喜16(916)年と古く、西日本では数少なくなった本格的な湯治場だ。約20の宿が軒を連ねるが、その大半が内湯を持たないので、宿泊客はタオル片手に公衆浴場「町の湯」に通うことになる。

温泉は外湯を使うという古くからの湯治場のスタイルが今も続く数少ない温泉地で、下駄を鳴らして浴衣姿で石畳を歩くのがこれほど様になるレトロな温泉街も珍しい。

公衆浴場「町の湯」

「町の湯」の湯船

俵山温泉の泉質はアルカリ性単純温泉で、医学が発達した現代でもリウマチの名湯として有名だ。長期療養を目的とした湯治客が多く、彼らの便宜を図る取り組みを町ぐるみで行っている。

「町の湯」以外にも日帰り入浴が楽しめる「白猿の湯」がある。2004年に新設された温泉施設で、露天風呂やバブルバス、ペット湯があり、レストランや地元物産品の販売所も併設している。

「白猿の湯」の露天風呂

山中ではあるが海に近く、新鮮な魚料理が味わえるのもうれしい。夏には源氏ボタルが飛び交う自然環境の中で、療養泉に浸かり、存分に体と心を癒やしたい。

また近くにご神体の男根が林立する麻羅観音があり、隠れた人気スポットになっている。

魔羅観音

●山口市方面から俵山温泉へのアクセス

自動車:中国自動車道「小郡IC」から「美祢IC」まで約20キロメートル、約15分。「美祢IC」から一般道で約30キロメートル、約40分で俵山温泉。

鉄道とバスJR新幹線「新山口駅」から「厚狭駅」まで10分。JR美祢線「厚狭駅」から「長門湯本駅」まで約1時間。サンデン交通バスで「俵山温泉」まで20分。

公式ホームページ :俵山温泉合名会社

写真提供:俵山温泉合名会社
(バナー写真:俵山温泉の温泉街)

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