「京都御苑」散策で風雅な桜たちをめでる:京都・桜の名所巡り
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京都御苑に桜の季節を告げる「糸桜」
京都市街の中心に位置し、東西700メートル、南北1.3キロという広大な敷地を持つ「京都御苑」(上京区)。江戸時代までは宮家や公家の邸宅が集まっていた地域で、明治から大正にかけて京都御所を保存する目的などで一帯が整備された。1949(昭和24)年には国民公園となり、現在は市民や観光客の憩いの場として親しまれている。春にはシダレザクラやサトザクラなど約1100本が花を咲かせ、桜の名所としてにぎわう。
特に人気が高いのが、3月中旬からいち早く咲き始める近衛邸跡のシダレザクラ、通称「糸桜」だ。五摂家の一つに数えられた近衛家の邸宅跡地は御苑北西部にあり、多くの糸桜と共にヤエベニシダレなども植えられている。
糸桜は、その名の通り細い枝が薄紅色の花に飾られ、風に揺られると気品ある美しさを醸し出す。空を覆うように枝が横に広く伸び、下から見上げれば桜の天蓋(てんがい)のよう。近衛池にも枝がせり出していて、水面に花の色が映る様子も風情がある。
美しい一本桜「出水のしだれ桜」と逸話が残る「車還桜」
京都御苑には、その名を知られる桜が他にもある。散策エリアになっている「出水の小川」の向かいには、凛とした美しい姿の銘木「出水のしだれ桜」がたたずむ。中立売御門近くには、あまりの美しさに後水尾天皇が御車を引き返させたといわれるサトザクラ「車還桜(くるまがえしさくら)」がある。
広大な敷地には、その他にもヤマザクラやカスミザクラなどさまざまな種類が植えられ、桜の開花期間は例年3月中旬から5月上旬と長く、多くの花見客の目を楽しませてくれる。見頃は3月下旬から4月中旬。
●アクセス
「京都」駅から京都市営地下鉄烏丸線で約7分の「丸太町」駅、9分の「今出川」駅から、徒歩すぐ
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取材・文=藤井 和幸(96BOX)
写真=黒岩 正和・藤井 和幸(96BOX)
(バナー写真=近衛邸跡に咲く糸桜)