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国債発行残高897兆円、国民1人あたり713万円の借金!:19年度予算、当初ベースで初めて100兆円を突破

経済・ビジネス

2019年度予算は消費税増税で税収は過去最高額となるものの、増税による景気落ち込みを防ぐ経済対策に費用がかさみ、当初予算ベースで初めて100兆円を突破した。財政再建は遠い道のり……

政府が閣議決定した2019年度予算案の一般会計の総額は101兆4564億円。当初予算で100兆円を超えたのは初めてだ。

19年10月に消費税を8%から10%に引き上げるため、税収は62兆4950億円と、1990年度実績の60兆1059億円を29年ぶりに上回り、過去最高を更新。その一方で、増税による消費の落ち込みを抑えようと、キャッシュレス決済した人に対する増税分を上回るポイント還元や、低所得層などを対象にプレミアム付き商品券を発行するなどの景気対策を打つため、歳出は膨張。預金保険機構の利益剰余金など6兆3016億円の税外収入を確保した上で、なお、32兆6598億円の新規国債を発行する。

1980年代までは税収と歳出がそれほど大きくかい離しておらず、各年度の国債発行額は15兆円を上回ることはなかった。しかし、バブル経済の崩壊後、度重なる財政出動や減税政策で収支は悪化、国債発行の増額で穴を埋めてきた。2010年以降は税収が回復しているものの、歳出も拡大しているため、国債の発行に頼る状況が続いている。

国債発行残高は、年々積み上がり、2019年度末で897兆円となる見通し。この額は一般会計税収の約15年分に相当し、国民1人当たりに換算すると713万円の借金を負っていることになる。超低金利政策によって金利は低く抑えられているが、金利が上昇すれば、利払い費が重くのしかかる。

バナー写真:PIXTA

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