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草食化する女子大生、性経験20年前を下回る:05年をピークに消極化

社会

大学生の性行動は80年代から90年代にかけて活発化した。ところが、2005年をピークにキス経験、性交経験ともにマイナスに転じている。特に、女子でその傾向が強い。

日本性教育協会が2017年に実施した全国調査で、女子大学生の性交経験率が36.7%となり、ピークだった2005年の62.2%からは25.5ポイント低下。約20年前にあたる1999年の50.5%、1993年の43.4%も大きく下回った。「草食男子」が新語・流行語大賞のトップ10入りしたのは2009年。それ以降、「恋愛に奥手な男子」のイメージが強まっているが、調査結果からは女子の方がより性的な行動に慎重になっていることが読み取れる。

調査は日本性教育協会が1974年以降、ほぼ6年おきに実施。2017年は中学生4449人、高校生4282人、大学生4194人を対象に実施した。大学生のデート、キス、性交の経験は2005年までは上昇したが、そこをピークに下降に転じている。男女を比較すると、特に、女子の経験率の落ち込みが激しい。デート経験率は男女ともに調査開始以来、最低となった。

性交未経験の大学生にその理由について複数回答で聞いたところ、男女ともに「相手がいなかったから」が最も多く、次いで、「年齢的に早すぎると思う」だった。女子は「性的な欲求がない」「性そのものに嫌悪感がある」「面倒くさい」などの回答も男子と比べて多かった。

これまで性交を経験してこなかった理由(大学生・複数回答)

男子 女子
相手がいなかった 71.9 66.2
方法がわからなかった 8.9 8.9
年齢的に早すぎると思う 18.5 25.6
性的な欲求がない 5.0 16.6
性そのものに嫌悪感がある 3.6 11.5
面倒くさい 8.7 10.2
性感染症にかかるのが気になる 9.1 13.3
妊娠が気になる 8.7 19.7
結婚するまでは性交すべきでない 7.9 8.6
特に理由はない 12.6 10.2
その他 2.4 3.8
無回答等 2.3 2.2

出所:日本性教育協会「青少年の性行動」第8回調査報告

また、性に対する「楽しい―楽しくない」のイメージを聞いたところ、女子は「楽しい」という肯定的なイメージが減少し、否定的なイメージが増加する傾向にある。

同協会では「青少年の性行動の不活発化が進行し、特に、女子でその傾向が著しい。性に対するイメージの悪化も女子において顕著であり、心理的側面でも女子は消極化している」と分析。今後、こうした傾向がどのような社会的背景と結びついているか考察を進めるとしている。

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