日本の印象「良い」中国人、初の4割乗せ-日中共同世論調査
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日本の民間団体「言論NPO」と中国国際出版集団が2018年9月、日中両国の2500人以上を対象に実施した共同世論調査によると、中国人の日本に対する印象が全般的に改善したことが分かった。このうち「相手国に対する印象」の質問項目では、「良い」(「どちらかと言えば良い」を含む)と答えた中国人の比率が全体の42.2%と前年(31.5%)比10ポイント以上改善し、調査開始から初めて4割を超えた。また、「良くない」は56.1%と昨年(66.8%)から10ポイントも減少した。
同NPOは「この傾向が続くと来年の調査では『良い』が『悪い』(「どちらかと言えば悪い」を含む)を上回る可能性がある」としている。
中国人が日本に「良い」印象を持つ理由としては、「経済発展と生活水準の高さ」が51.6%と最も多く、今回も半分程度が挙げた「礼儀・マナーを重んじ、民度が高い」(49.2%)は昨年(61.9%)を大きく下回るなど、好印象の理由には変動がみられる。
中国人が日本に「良い」印象を持つ理由(単位%、複数回答)
理由 | 2018年 | (前年) |
---|---|---|
経済発展と生活水準の高さ | 51.6 | (53.0) |
礼儀・マナーを重んじ、民度が高い | 49.2 | (61.9) |
自然が風光明媚で温泉等の観光地が多い | 45.3 | (44.3) |
製品の質が高い | 44.0 | (53.5) |
技術が先進的だから | 25.0 | (44.9) |
言論NPOのデータを基に編集部作成
中国側の日本に対する印象が改善された背景としては、1)日中平和友好条約40周年を迎えた関係改善・協力の本格化、2)訪日観光客の増加等による直接交流の増加、3)若者層を主体とした情報源の多様化―などが挙げられる。
言論NPOの工藤泰志代表は「中国国民の日本への印象や日中関係に対する意識がこの一年で大きく改善した。改善は全面的で、これまで大きな障害となった中国人の歴史認識も含め対立的な感情は沈静化し、今後に楽観的な見方が強まっている」としている。
他方、日本人の中国に対する印象は今年も改善が進まず、対照的な傾向が鮮明化している。今調査では両国関係の現状に対する悲観的な見方が大きく減少したものの、今年も86.3%と9割近くが中国の印象を「悪い」としており、昨年(88.3%)と比べてほとんど改善がみられない。
調査は最も日中関係が深刻だった2005年から毎年行われており、今回が14回目。「両国民の相互理解・相互認識の状況やその変化を継続的に把握することが目的」とされる。対象は18歳以上の男女で、日本側は全国で1000人が記入したアンケートを回収、中国側は、北京・上海・広州など10都市で1548人に対し面接聴取した。
バナー写真:銀座で買い物をする中国人観光客=東京都中央区、2017年2月(時事)