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17年度医療費、過去最高の42兆円に:75歳以上の1人あたり医療費は94万円

政治・外交

人口のボリュームゾーンである団塊の世代が2022年には後期高齢者の仲間入りをする。医療費は今後も増加が続きそうだ。

厚生労働省が発表した2017年度の「医療費の動向」によると、同年度に医療機関に支払われた概算医療費は前年度より9500億円増えて42兆2000億円となり、過去最高を記録した。概算医療費は労災医療や全額自己負担の治療費を除いて集計した速報値で、1年遅れで確定値として公表される国民医療費の約98%に相当する。16年度の国民医療費は前年度比0.5%減の42兆1000億円となり、02年度以来、14年ぶりにマイナスに転じた。しかし、17年度の概算値からは、医療費膨張の大きなトレンドは変わっていないことが読み取れる。

C型肝炎の特効薬「ハーボニー」や「ソバルディ」、がん治療薬の「オプジーボ」など保険適用される高額薬剤が年々増えていることが医療費増加の一因だ。しかし、最大の要因は高齢化の進展だろう。概算医療費のうち後期高齢者医療の対象となる75歳以上の費用は、前年度比6800億円増の16兆円となった。医療費増加分の70%超は、75歳以上医療費の増加に起因する。

さらに、1人あたりの医療費は、75歳未満が4000円増の22万1000円に対して、75歳以上は1万2000円増の94万2000円と75歳未満の4倍以上の額となっている。人口のボリュームゾーンである団塊の世代が、2022年以降、後期高齢者となるため、今後、医療費の増加に拍車がかかる可能性もある。

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