3年生存率71%、がんサバイバーは増えている! : 胃がん・大腸がん、ステージ1は95%超
社会 医療・健康
国立がん研究センターが初めて公表したがんと診断された人の3年後の生存率は71.3%だった。早期発見ならば、生存率はさらに高まる。
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国立がん研究センターが集計した2011年にがんと診断された人の「3年生存率」は71.3%だった。全国の「がん診療連携拠点病院」など268施設の30万6381件を対象に分析した。がんの種類別では、前立腺がん99.0%、乳がん95.2%、子宮体がん85.5%などが高かった一方で、治療が難しいとされるすい臓がんは15.1%と他の部位のがんと比べて、極端に低かった。同時に公表した08~09年にがんと診断された人の「5年生存率」は65.8%だった。
がんの3年と5年生存率
3年生存率 | 5年生存率 | |
---|---|---|
前立腺がん | 99.0 | 98.4 |
乳がん | 95.2 | 92.7 |
子宮体がん | 85.5 | 82.5 |
子宮頚がん | 78.8 | 75.6 |
大腸がん | 78.1 | 72.9 |
胃がん | 74.3 | 71.1 |
ぼうこうがん | 73.5 | 70.9 |
肝臓がん | 53.6 | 39.6 |
食道がん | 52.0 | 43.7 |
肺がん | 49.4 | 40.0 |
すい臓がん | 15.1 | 10.0 |
全体 | 71.3 | 65.8 |
国立がん研究センターの公表資料を基に編集部作成
かつて、がんは「不治の病」と考えられていた。しかし、画像診断装置の進化で早期発見の確率で高まり、がん細胞の遺伝子を特定して攻撃する分子標的薬の誕生など、治療法も日々、進歩している。「がんサバイバー」は確実に増えている。
主ながんの「ステージ別3年生存率」を見ると、早い段階で発見するほど、生存率が高くなるのは共通の傾向だ。乳がんの場合、ステージ1期100%、2期98%と極めて高い。胃がんや肺がんはステージが進むごとに落ち込みが大きい。
同センターはこれまで診断データを基に5年生存率を報告してきたが、新しい治療法や新薬の効果を迅速に把握し、今後のがん対策に活用できるよう、3年生存率を初めて公表した。
バナー写真 : PIXTA