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自販機が減っていく:コンビニのサービスに勝てない?

社会

ピーク時には全国で560万台あった自動販売機が、2016年に500万台を割り込んだ。「24時間品揃え豊富なコンビニ」にはなかなかかなわない。

日本自動販売システム機械工業会の集計によると、2017年末の全国の自動販売機普及台数は427万1400台だった。普及台数に占める割合が57%と最も大きい飲料自販機は前年比1.2%減の244万3800台となった。

2017年から集計対象や分類方法を変更したため、2016年までとの単純な経年比較はできないが、自動販売機は設置台数、販売金額ともに減少傾向にある。自販機にとって最大のライバルはコンビニだ。かつては「24時間いつでも買える」ことが自販機の強みだったが、「24時間いつでも買えて、品ぞろえも豊富」なコンビニにはかなわない。ピーク時の2000年にには560万台あった自販機は、2016年に500万台を割り込んだ。

特に、年齢確認が必要なアルコール類とたばこに関しては、対面販売のコンビニが圧倒的に有利だ。全国小売酒類販売組合中央会は1995年5月に未成年者飲酒防止の観点から、アルコール類の屋外自販機の撤廃を決定、現在では屋外設置のアルコールの自販機はほとんど無い。たばこ自販機は2008年3月に成人識別カード「タスポ」が導入されたことを契機に、設置台数、販売金額ともに激減。「購入のためにわざわざカードを取り出すのが面倒」として、愛煙家は自販機からコンビニへと流れた。さらに、「たばこと一緒に缶コーヒーも」といった「ついで買い」需要までコンビニに奪われた。たばこ自販機はピーク時には全国で63万台あったが、2017年は17万台となっている。

また、2011年頃からコンビニチェーン各社がドリップコーヒー機を導入。缶コーヒーよりも安価な100円で「ひきたて入れたてコーヒーが飲める」とヒット商品となり、自販機売り上げのマイナス要因となっている。

バナー写真:路上の自販機(時事通信フォト)

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