混雑率1位はメトロ東西線=東京圏11路線だけ180%超-国交省
社会
鉄道の混雑状況に関する国土交通省の調査によると、東京圏の11路線がピーク時の目標とされる180%をクリアすることができなかった。最悪は東京メトロ東西線の199%。三大都市圏の平均混雑率は東京163%に対し大阪125%、名古屋131%だった。
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国土交通省が7月17日公表した「全国の鉄道主要区間の混雑率」調査(2017年度)によると、東京圏の鉄道路線のうち11路線がピーク時における混雑緩和の目標とされる混雑率180%を上回り、中でも最悪の東京メトロ東西線は199%で「体が触れ合い相当圧迫感がある」とされる状態(同200%)にほぼ達していた。
混雑率はその路線で最も混み合う時間帯1時間における混雑度合いの平均値。同省は100%を乗客全員が席に座り、つり革などにつかまることができる「定員乗車」、180%を「折りたたむなど無理をすれば新聞を読める状態」としている。
今回180%を超えたのはこのほか、総武線や横須賀線、南武線、東海道線などJR東日本の8路線と日暮里・舎人ライナー、東京急行電鉄の田園都市線。
混雑率180%を超える11路線(すべて東京圏)
路線名 | 運行会社 | 混雑率(%) |
---|---|---|
東西線 | 東京メトロ | 199 |
総武線(各駅停車) | JR東日本 | 197 |
横須賀線 | JR東日本 | 196 |
南武線 | JR東日本 | 189 |
東海道線 | JR東日本 | 187 |
日暮里・舎人ライナー | 東京都交通局 | 187 |
京浜東北線 | JR東日本 | 186 |
埼京線 | JR東日本 | 185 |
田園都市線 | 東急 | 185 |
中央線(快速) | JR東日本 | 184 |
総武線(快速) | JR東日本 | 181 |
国土交通省のデータを基に編集部作成
一方、三大都市圏の主要区間における平均混雑率は、東京圏(31区間)の163%に対し大阪圏(20区間)が125%、名古屋圏(8区間)が131%だった。大阪圏、名古屋圏の混雑緩和が一定の段階まで進んでいるのに対して、東京圏だけが30ポイント以上引き離した高い水準にある。
これまで、増便など輸送力の増強によって、大阪と名古屋は1980年代後半、東京は2000年代前半から同率が180%を下回った。その後、09年には大阪が130%割れ、名古屋は12年以降130%台前半で推移しており全国的にみると一定の混雑緩和が進んだ。しかし、東京は首都圏が大きな広がりを持ち1990年代以降も人口流入が続いていることなどから、00年代前半に170%台前半まで下げた後は低下ペースが鈍り、11年からは160%台前半でおおむね横ばい状態にある。
バナー写真:東京メトロ東西線の茅場町駅、東京都中央区(時事)