経団連新会長に日立・中西氏就任 : 経団連の歴代会長一覧
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経団連(日本経済団体連合会)の第14代会長に日立製作所の中西宏明会長が2018年5月31日付で就任した。中西氏は2010年に社長就任、14年から会長。日立はリーマンショック後に巨額の赤字に陥ったが、中西氏は不採算事業からの撤退、情報通信と社会インフラ事業への注力など選択と集中による事業構造改革を進め、業績を立て直した。米国子会社の社長を務めるなど国際経験が豊富で、欧米の企業経営者らとの幅広い人脈がある。一方、2016年に成長戦略の司令塔として政府が設置した「未来投資会議」の議員を務めるなど、安倍晋三政権とも良好な関係だ。
経団連会長の任期は2年だが、第6代の斎藤英四郎氏以降は2期4年務めるのが慣例化している。「財界総理」と呼ばれた高度成長期のようなパワーはないものの、産業界の利益代表であるとともに、国民世論の声を代弁する役割も担うなど、国政への影響力もある。このため、4年に1度の会長人事は大きな注目が集まる。「会長は製造業出身が望ましい」とする不文律があり、歴代会長のうち非製造業出身は、3代会長の植村甲午郎氏(経団連事務局)と7代会長の平岩外四氏(東京電力)の2人だけだ。
新日本製鉄(現・新日鉄住金)、東京芝浦電気(現・東芝)、トヨタ自動車からは複数の会長を輩出した。日立で中西氏の前任の会長である川村隆氏(現・東京電力ホールディングス会長)は4年前の会長選びで本命視されていたが、高齢などを理由に固辞した。日立が会長ポストを務めるのは、中西氏が初となる。
一時期は、14代会長としてトヨタ自動車の豊田章男社長の登板を期待する声もあった。しかし、豊田氏は、経団連会長就任のための必須条件とされる経団連副会長ポストには就かず、代わりに同社の早川茂副会長を経団連副会長として送り込んだ。次は、中西会長任期中に豊田氏が副会長に就任するかどうかに注目が集まる。
経団連歴代会長一覧
経済団体連合会(旧経団連)
初代 | 石川一郎 | 日産化学工業社長 | 1948/3/16〜1956/2/21 |
第2代 | 石坂泰三 | 東京芝浦電気社長 | 1956/2/21〜1968/5/24 |
第3代 | 植村甲午郎 | 経団連事務局 | 1968/5/24〜1974/5/24 |
第4代 | 土光敏夫 | 東京芝浦電気社長 | 1974/5/24〜1980/5/23 |
第5代 | 稲山嘉寛 | 新日本製鉄会長 | 1980/5/23〜1986/5/23 |
第6代 | 斎藤英四郎 | 新日本製鉄会長 | 1986/5/28〜1990/12/21 |
第7代 | 平岩外四 | 東京電力会長 | 1990/12/21〜1994/5/27 |
第8代 | 豊田章一郎 | トヨタ自動車会長 | 1994/5/27〜1998/5/26 |
第9代 | 今井敬 | 新日本製鉄会長 | 1998/5/26〜2002/5/28 |
日本経団連(旧経団連と日経連が統合)
第10代 | 奥田碩 | トヨタ自動車会長 | 2002/5/28〜2006/5/24 |
第11代 | 御手洗冨士夫 | キヤノン会長 | 2006/5/24〜2010/5/27 |
第12代 | 米倉弘昌 | 住友化学会長 | 2010/5/27〜2014/6/3 |
第13代 | 榊原定征 | 東レ会長 | 2014/6/3〜2018/5/31 |
第14代 | 中西宏明 | 日立製作所会長 | 2018/5/31〜 |
役職は就任当時、網掛けは「非製造業出身」
バナー写真:経団連第14代会長に就任した中西宏明氏(左)と13代会長の榊原定征氏(時事通信フォト)