軍事支出、日本は世界第8位 : トップ10諸国で唯一対GDP比1%割れ
政治・外交
スウェーデンのストックホルム国際平和研究所がまとめた2017年の世界の軍事費は前年比1.1%増の1兆7390億ドル(約190兆円)だった。日本は前年と変わらず8位。対GDP比はトップ10諸国の中で唯一1.0%を下回っている。
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スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)の集計によると、2017年の世界の軍事費(一部推計値、日本の場合は防衛費に相当)は前年比1.1%増の1兆7390億ドル(約190兆円)だった。国別では、1位の米国が前年比横ばいの6100億ドル。2位中国は5.6%増の推計2280億ドルだった。2016年は3位だったロシアが、約20%減の663億ドルで4位に後退。代わって、サウジアラビアが694億ドルで3位に浮上した。日本は前年からほぼ横ばいの454億ドルで、順位は変わらずの8位だった。
世界の軍事費トップ10
軍事費(億ドル) | 対GDP比(%) | ||
---|---|---|---|
1 | 米国 | 6100 | 3.1 |
2 | 中国* | 2280 | 1.9 |
3 | サウジアラビア* | 694 | 10.3 |
4 | ロシア | 663 | 4.3 |
5 | インド | 639 | 2.5 |
6 | フランス | 578 | 2.3 |
7 | 英国 | 472 | 1.8 |
8 | 日本 | 454 | 0.9 |
9 | ドイツ | 443 | 1.2 |
10 | 韓国 | 392 | 2.6 |
ストックホルム国際平和研究所の公表資料を基に編集部作成
*は推計値
北大西洋条約機構(NATO)は、2024年までに加盟国の国防費支出を国内総生産(GDP)比2%以上とする目標を掲げている。日本はこれまで軍事大国化の歯止めとして「防衛費を国民総生産(GNP)の1%以内とする」ことが暗黙の天井として機能してきた。トップ10諸国の中では、日本だけが、対GDP比1%を下回っている。
これに対し、与党自由民主党は、NATOと同じ「対GDP比2%」を参考に防衛費の増額を志向している。
バナー写真:陸上自衛隊の総合火力演習(2017年8月、時事通信フォト)