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日本の世界遺産一覧(2017年7月現在)

文化

福岡県の「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」がユネスコの世界文化遺産に登録された。日本の世界遺産はこれで21件となった。

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島全体が信仰の対象

国連教育科学文化機関(ユネスコ)は2017年7月9日、ポーランドのクラクフで開催した世界遺産委員会で、日本が推薦した「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」を世界文化遺産に登録した。

沖ノ島は、福岡県宗像市の沖合約60キロの玄界灘に浮かぶ孤島。4~9世紀に朝鮮半島や中国大陸との交流成就と航海の安全を祈る大規模な祭祀(さいし)が行われた。朝鮮半島からの金製指輪、ペルシャからもたらされたと考えられるカットグラス碗(わん)片など約8万点の奉献品が出土し、全て国宝に指定されている。島全体が宗像大社の境内として信仰の対象とされ、女人禁制などの禁忌が残る。上陸は厳しく制限されており、許された場合も着衣を全て脱いで海に入り、みそぎをしなければならない。

今回の登録で日本の世界文化遺産は17件となり、4件の自然遺産と合わせ、国内の世界遺産は合計21件となった。

世界遺産は、1972年のユネスコ総会で採択された「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」(世界遺産条約)に基づいて、人類が共有すべき「顕著な普遍的価値」を持つと認められた遺跡、景観、自然などがリストに登録される。

日本では93年12月、法隆寺地域の仏教建造物(奈良県)、姫路城(兵庫県)が世界文化遺産に初めて登録された。16年に「ル・コルビュジエの建築作品」の構成資産(7カ国17施設)の一つとして登録された国立西洋美術館(東京都)まで、文化遺産は16件。世界自然遺産は、93年に同時登録された屋久島(鹿児島県)と白神山地(青森・秋田県)のほか、知床(北海道)、小笠原諸島(東京都)の4件ある。

世界全体では17年6月時点で、1052件の世界遺産(うち文化遺産814件、自然遺産203件、複合遺産35件)が登録されている(条約締約国193カ国)。

日本のユネスコ世界遺産

登録対象 登録時期
文化遺産
法隆寺地域の仏教建造物(奈良県) 1993年12月
姫路城(兵庫県) 1993年12月
古都京都の文化財(京都府、滋賀県) 1994年12月
白川郷・五箇山の合掌造り集落(岐阜県、富山県) 1995年12月
原爆ドーム(広島県) 1996年12月
厳島神社(広島県) 1996年12月
古都奈良の文化財(奈良県) 1998年12月
日光の社寺(栃木県) 1999年12月
琉球王国のグスクおよび関連遺産群(沖縄県) 2000年12月
紀伊山地の霊場と参詣道(奈良県、和歌山県、三重県) 2004年7月
石見銀山遺跡とその文化的景観(島根県) 2007年6月
平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群(岩手県) 2011年6月
富士山―信仰の対象と芸術の源泉(山梨県、静岡県) 2013年6月
富岡製糸場と絹産業遺産群(群馬県) 2014年6月
明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業(福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、鹿児島県、山口県、岩手県、静岡県) 2015年7月
ル・コルビュジエの建築作品-近代建築への顕著な貢献-(国立西洋美術館=東京都) 2016年7月
「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群(福岡県) 2017年7月
自然遺産
屋久島(鹿児島県) 1993年12月
白神山地(青森県、秋田県) 1993年12月
知床(北海道) 2005年7月
小笠原諸島(東京都) 2011年6月

バナー写真:世界文化遺産に登録された沖ノ島[福岡県提供](時事)

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