
震災から5年:被災地と復興の現状
政治・外交 経済・ビジネス
東日本大震災発生から5年。復興の現状と福島の状況を、データでまとめた。
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福島の現状:原発周辺9市町村で避難指示継続
福島第1原子力発電所事故による放射線物質の放出・拡散により、原発周辺の9市町村(うち3市町村では一部)が現在も避難区域に指定されている。
避難区域は①放射線量が高く、立ち入り制限のある「帰還困難区域」、②居住制限区域、③住民の帰還に向けた復旧・復興準備を進める「避難指示解除地域」の3種類に分けられる。2015年9月には福島第2原発南側に位置する楢葉町で、事故から4年半ぶりに避難指示が解除された。
除染作業も続く
福島県によると、いまも約9万8000人が避難生活を余儀なくされており、うち4万3000人余りが県外で暮らす。福島県と国は空間放射線量率の変化を監視するため、県内に624台のモニタリングポスト、学校や公園、保育所などに3000台を超える「リアルタイム線量計」を設置。測定結果はウェブサイトの「放射能測定マップ」で確認できる。
空間放射線量を下げるため、県内では草刈りや住宅の屋根の高圧水による洗浄、表層土壌の除去などによる「除染作業」が行われた。福島第1原発周辺は国、その他の地域では各市町村が担当する。(下図)
市町村が実施している区域の、除染実施状況をまとめたのが下のグラフ。かなり進んだが、まだ完了には至っていない。
高木毅復興相は2月23日、外国人記者らにプレス・ブリーフィングを行い、除染作業のほか「自然減衰もあり、空間放射線量は確実に減っている。2011年11月に比べ、約65%減少している。福島県内の空間放射線量率は、昨年(2015年)11月現在で、県庁所在地の福島市は1時間当たり0.19マイクロシーベルト、人口の一番大きいいわき市は0.07、2番目に大きい郡山市は0.11。海外の主要都市とほぼ同じ水準だ」と語った。
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