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日銀副総裁(岩田氏、中曽氏)プロフィール

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2013年3月20日、日本銀行の新体制が誕生した。総裁に黒田東彦氏、副総裁に岩田規久男氏と中曽宏氏が就任。ここでは副総裁2人のプロフィールを紹介する。

リフレ派経済学者の代表格 岩田規久男氏

写真=Motoo Naka/アフロ

黒田総裁を支える副総裁の一人として、経済学者から選任された。日本のリフレ派経済学者の代表格で、日銀批判の急先鋒としても知られてきた。リフレ(リフレーション)政策とは、デフレ状態の経済を正常に戻すために、適正なインフレ率への回帰を狙って行われる金融政策のこと。岩田氏は「日本がデフレから脱却できないのは日銀の責任」と力説し、インフレ目標を中期的に達成することが日銀の責務と強調してきた。上智大学教授時代の1990年代前半には、「マネーサプライ論争」を日銀幹部らと激しく展開し、金融界などからも注目された。

岩田氏は副総裁就任前、衆参議院運営委員会での所信表明で、「2%の物価上昇率目標(インフレターゲット)の達成は義務。遅くても2年で達成できる」と主張。達成できなかった場合、「最高の責任の取り方は辞職だ」と述べ、強い決意をのぞかせた。アベノミクスで金融政策の柱となるインフレ目標2%を定め、大胆な金融緩和によりデフレと円高からの脱却を目指すことを安倍政権に進言してきたこともあり、そのシナリオを実行する強力な推進役を担うことになる。

1942年生まれ。大阪府出身。1966年東京大学経済学部卒、1973年東大大学院経済学研究科博士課程を修了。1976年〜1978年カリフォルニア大学バークレー校客員研究員。上智大学経済学部教授を経て、1998年から学習院大学経済学部教授。専門は金融論、経済政策。『デフレの経済学』『デフレと超円高』『日本銀行は信用できるか』など著書多数。

nippon.comへの寄稿「日本銀行の『中長期的な物価安定の目途』への評価」(2012年3月)

日銀きっての国際派 中曽宏氏

写真=ロイター/アフロ

黒田総裁を支えるもう一人の副総裁として、日銀理事(国際関係統括)から内部昇格した。日銀きっての国際派として知られる。大手銀行や証券会社が経営破たんした1997年の金融危機に信用機構課長として実務面で対応した。その後、国際決済銀行(BIS)に出向。金融市場局長とBIS市場委員会議長を兼任し、金融システム、市場取引、国際金融にも精通している。

副総裁候補として、国会での所信聴取では、「前例にとらわれず政策手段を考えていきたい」と述べ、黒田氏や岩田氏の積極緩和路線と歩調を合わせる考えを表明した。ただ、2%のインフレ目標については「必ず2年でとは言いがたいが、できるだけ早期に」と慎重な言い回しで、黒田、岩田両氏との温度差をのぞかせた。

1953年生まれ。東京都出身。1978年東京大学経済学部卒、日本銀行入行。信用機構局信用機構課長、国際決済銀行(BIS)出向などを経て、2003年金融市場局長。2008年から日銀理事。

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