
データで見る東日本大震災の台湾からの義援金250億円
社会
東日本大震災で世界有数規模の義援金を日本に届けた台湾。その義援金がどのように集められ、そして使われたのか。台湾外交部発表資料を基にまとめた。
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東日本大震災が発生し、わが国が台湾など世界各国から多大な支援を受けたことは、日本で生きる人々にとって絶対に忘れてはならない。その中で、台湾の「200億円」という莫大(ばくだい)な義援金は、金額ばかりが独り歩きし、具体的な募金の実態については散発的にしか伝えられていない。
その理由として、長栄集団(エバーグリーングループ)会長・張栄発氏の巨額の支援に代表される個別の物語に報道のポイントが多く当てられ、総合的なデータに基づいたものが少ないことが考えられる。
台湾人の善意がどのような形で日本に送られ、震災復興に役立てられたのか。これは、支援した台湾人、それを受けた日本人問わず知りたい情報であり、シリーズ「福島、元気です!」にとっても、伝えたい重要なデータである。
東日本大震災から7年が経過した今、改めて台湾からの善意について、データから読み解いた。
台湾から届けられたのは総額253億円
台湾外交部が発表した東日本大震災に関する義援金などの資料によると、義援金は①外交部や地方自治体などの政府機関からのもの②慈善団体や機関団体が集めたもの③長栄集団会長・張氏や日本台湾交流協会など直接日本に届けた個人や団体のものの3種に区別される。
2014年12月31日までに、①からは7億6975万元(約28億円)②からは54億3145万元(約200億円)③からは6億5346万元(約24億円)、合計で68億5466万元(約253億円)に上る。
※1台湾元を約3.7円とし、台湾元を正、日本円は参考とする。
政府機関からの28億円とその行方
台湾の政府機関からは7億6975万元(約28億円)が届けられた。具体的な内訳や配布先は次の通り。
- 外交部:5億666万元(約18億円)
①日本赤十字社へ3億7000万元(約13億6900万円)
②台北市松山区健康小学校から代理で宮城県石巻小学校へ14万1362元(約50万円)
③中国佛教会から代理で福島原発殉職遺族見舞金500万元(約1850万円)
④台北医学大学から代理で東北大学および東北福祉大学へ震災義援金139万283元(約510万円)
⑤中華民国婦女連合会から日本赤十字社へ被災地復興のための支援金1000万元(約3700万円)
⑥中華民国紅十字会を通じて日本赤十字社へ1億2013万8254元(約4億4450万円) - 内政部:192万元(約710万円)
外交部へ - 台中市政府:3485万元(約1億2890万円)
中華民国紅十字会総会へ - 新北市政府:6931万元(約2億5640万円)
①日本台湾交流協会へ6868万4340元(約2億5410万円)
②福井県美浜町へ63万4106元(約234万6190円) - 南投県政府:1112万元(約4110万円)
日本台湾交流協会台北事務所へ - 彰化県政府:621万元(約2290万円)
1. 現金606万5000元(約2240万円)、2. 放射線量計測器2台(6万4000元[約23万6800円])、3. マンゴー30箱とバナナ20箱(8万7000元[約32万1900円])
これらを宮城県へ
- 台南市政府:5269万元(約1億9490万円)
宮城県仙台市へ - 高雄市政府:4045万元(約1億4960万円)
日本台湾交流協会高雄事務所へ - 雲林県政府:45万元(約160万円)
日本台湾交流協会台北事務所へ - 桃園県政府:576万元(約2130万円)
日本台湾交流協会へ - 南投県草屯町役場:90万元(約330万円)
中華民国佛教慈済慈善事業基金会へ - 南投県鹿谷村役場:283万元(約1040万円)
姉妹都市の福島県玉川村へ - 苗栗県政府:328万元(約1210万円)
外交部へ - 嘉義市政府:2010万元(約7430万円)
日本台湾交流協会高雄事務所へ - 交通部観光局:2227万元(約8230万円)
日本政府観光局へ