福島、元気です!

「もう一つの福島はいらない」なんてもう言わないで

社会

「核食」という単語を見るたびに、「NO NUKES, No More Fukushima」の悲しいスローガンが思い出される。

急がば回れ、「福島、元気?」展が投じた一石の意味

昨年11月末に、台北の華山文化創造園区で「福島、元気?」と題する展覧会が開催された。同展では、農業、教育、伝統工芸、地域社会などの側面から、福島の今に生きる人々の姿が、写真パネルやドキュメンタリー映像の形で丁寧に紹介され、大きな反響を呼んだ。同展を主催したImpact Hub社会影響力製造所は、陳昱築代表によって設立され、台湾の若手の起業家、アーティスト、エンジニア、会社員、民間非営利組織(NPO)ら集まって社会イノベーションを目指す組織だ。陳代表とは、11年ほど前、まだ台湾大学の学生だった彼が「台湾日本学生会議」を創設し、初代会長を担っていた頃からの付き合いだ。こうした地道な取り組みの積み重ねが、結局のところ、台湾の人々の心に共感や安心感を一歩ずつ生み出し、やがては状況の変化をもたらすのではなかろうか。急がば回れ。今日も新聞紙上を踊る「核食」という文字を目にしながら、ふとそんなことを思った。

2017年11月、台北の華山文化創造園区で開催された「福島、元気?」展の様子(撮影:馬場 克樹)

バナー写真=台北市内のある喫茶店に掲げられた「反核,不要再有下一個福島/NO NUKES, No More Fukushima(反核、もう一つの福島はいらない)」の旗(撮影:馬場 克樹)

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