日本人新郎が体験した台湾のびっくり結婚顛末(てんまつ)記・準備編

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大洞 敦史 【Profile】

慣例上は新郎側が負担すべき費用も時と場合による

他にも式場やプログラムを決めたり「新娘秘書」と呼ばれる美容師を雇ったり、嫁入り道具を買ったりとやるべきことは無数にあり、何事にも費用がかかる。僕はその頃、そば店「洞蕎麦」を開業するために貯金の大半を投じてしまっていたのだが、大変ありがたいことに、慣例上は僕が負担するべき費用のほぼ全てを、妻の両親が支出してくださった。

義父母は共に日本統治期に八田與一が築いた烏山頭ダムのほとりの農村地帯で生まれ育った。年中行事や冠婚葬祭を執り行うに当たっては伝統的な作法を重んじる人たちだ。一つには国際結婚であり、一つには僕と妻が儀式的なものに対してあまり積極的でなかったために、お二人にはかなり妥協をさせることになった。それにもかかわらず快く精神面・資金面の双方でバックアップしていただき、感謝の至りである。

発送前の「喜帖」(撮影:大洞 敦史)

バナー写真:「喜帖」と呼ばれる招待状(撮影 大洞 敦史)

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大洞 敦史DAIDO Atsushi経歴・執筆一覧を見る

1984年東京生まれ、明治大学理工学研究科修士課程修了。2012年台湾台南市へ移住、そば店「洞蕎麦」を5年間経営。現在「鶴恩翻訳社」代表。著書『台湾環島南風のスケッチ』『遊步台南』、共著『旅する台湾 屏東』、翻訳書『フォルモサに吹く風』『君の心に刻んだ名前』『台湾和製マジョリカタイルの記憶』等。

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