台湾総督府庁舎(現・総統府)の建築秘話

文化

一般公開されるようになった権力機関

現在、この建物は館内の一部が開放されており、外国人旅行者でも参観は可能だ。平日の午前中に開放される常設展示空間の他、年に6回の特別開放日には総統の執務室やホールなども見ることができる。台湾の歩んできた道のりが紹介され、地方事情や伝統芸能を学べる企画展示もある。なお、政権によって展示内容の選別や紹介方法が変わるのは台湾らしいとも言える。為政者たちの意図を冷静に判断しつつ、参観を楽しみたい。

特別公開日の様子。正面ホールなども見学できる(撮影:片倉 佳史)

同時に、展示物を見ていると、台湾と日本がいかに深く関わってきたかを思い知らされる。半世紀にわたった日本統治時代は現在、客観的な評価が下され、台湾史の一部として扱われている。そういった側面を受け止めながら、歴史を振り返りたいものである。

バナー写真=総統府全景。中央の塔は60メートルの高さとなっている(撮影:片倉 佳史)

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