台湾を変えた日本人シリーズ:台湾先住民研究の先駆者・鳥居龍蔵

文化

古川 勝三 【Profile】

100年前のアジアを映した写真が見つかる

1990年に東京大学の総合研究資料館の標本室で段ボールに入った大量の写真乾板が偶然発見された。

現像された写真には100年前のアジア諸地域の姿が映っていた。この貴重な画像の多くが、徳島県出身の鳥居龍蔵によって撮影されたものだということが分かった。国からの補助金で画像を再生・保存・照合を目的とする「鳥居龍蔵博士撮影の乾板復活プロジェクト」が、13人の専門家によって立ち上げられた。

写真機(提供:古川 勝三)

しかし、この画像がいつ頃、どこで、何のために撮影されたのか資料がないため解読は困難を極めていた。ところが2000年に徳島県立鳥居記念博物館で数万点におよぶ鳥居の未刊原稿、日記、フィールドノート、スケッチ、図版、標本等が見つかり、その中には東大で見つかったガラス乾板に関する資料が含まれていた。その結果、2545枚のガラス乾板が解読され、最も多い画像は、台湾先住民に関する824枚の写真であった。

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古川 勝三FURUKAWA Katsumi経歴・執筆一覧を見る

1944年愛媛県宇和島市生まれ。中学校教諭として教職の道をあゆみ、1980年文部省海外派遣教師として、台湾高雄日本人学校で3年間勤務。「台湾の歩んだ道 -歴史と原住民族-」「台湾を愛した日本人 八田與一の生涯」「日本人に知ってほしい『台湾の歴史』」「台湾を愛した日本人Ⅱ」KANO野球部名監督近藤兵太郎の生涯」などの著書がある。現在、日台友好のために全国で講演活動をするかたわら「台湾を愛した日本人Ⅲ」で磯永吉について執筆している。

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