東京都知事に小池百合子氏

政治・外交

東京都知事選挙は2016年7月31日に投開票され、小池百合子・元防衛相(64)が増田寛也・元総務相(64)=自民・公明・こころ推薦=、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏(76)=民進・共産・社民・生活推薦=らを大差で破り初当選した。

戦後9人目となる都知事に、初めて女性が就任する。任期は4年。2020年に開催される東京五輪まで、“ホスト都市の顔”ともなる。

今回選挙は6月21日、舛添要一知事が自らの政治資金をめぐる公私混同疑惑の責任をとって辞任したことに伴い実施。過去最多の21人が立候補した。投票率は59.73%と、前回選挙を13.59ポイント上回った。

東京都知事選 主要候補の得票結果

小池 百合子=無新 2,912,628
増田 寛也=無新
(自民、公明、こころ推薦)
 1,793,453
鳥越俊太郎=無新
(民進、共産、生活、社民推薦)
 1,346,103
投票率59.73%(前回46.14%)

「保守分裂」の中、浮動層つかんだ小池氏

2代続けて知事が「政治とカネ」をめぐる問題で辞任したことを受け、各政党は清新で都政の信頼回復を担える候補者を模索。国政与党の自民、公明両党は官僚出身で、“改革派知事”として岩手県知事を3期務めた増田氏に白羽の矢を立てた。

民進、共産ら野党4党は、参院選で共闘した4党の枠組みによる「統一候補」として、鳥越氏の擁立を決定。前回都知事選で共産、社民両党が推薦し、今回も立候補の準備を進めていた宇都宮健児・元日弁連会長が公示直前に出馬を取りやめて、候補者の一本化が実現した。

自民党の現職衆院議員だった小池氏は党との事前調整なしに立候補を表明し、組織に頼らない戦いを選択。選挙戦は「保守分裂」の構図で、事実上3人が争う展開となった。

都議会との関係構築が焦点

小池氏は、都知事選の立候補とともに衆院議員を失職。「退路を断って、都政を透明化する」と訴えて無党派層に支持を広げたほか、自民党支持層からの票も取り込んだ。

都の費用負担増が今後見込まれる2020年東京五輪・パラリンピックの会場整備については「全貌は依然ブラックボックスで、情報公開が必要」との立場をとる。選挙戦では「都民が決める都政」をスローガンにした改革を前面に押し出すとともに、自民党都連の姿勢を痛烈に批判しており、今後の都政運営では議会との関係をどう構築していくかが注目される。

小池百合子 環境相、内閣府特命担当相(沖縄・北方対策担当)、防衛相、首相補佐官(国家安全保障問題担当)、党総務会長などを歴任した。

(こいけ・ゆりこ)1952年7月15日、兵庫県芦屋市生まれ。64歳。カイロ大学社会学科卒業。アラビア語通訳を務めた後、テレビ東京の報道番組「ワールド・ビジネスサテライト」などでキャスターとして活躍。1992年に細川護熙元首相が結党した「日本新党」に入党し、参議院議員(比例区選出)に初当選。93年に衆院(旧兵庫2区)にくら替えし当選。その後新進党、自由党、保守党などを経て、2002年に自民党に入党。現在東京10区選出で、これまで衆院8回当選。

文・ニッポンドットコム編集部

バナー写真=東京都知事選で当選確実となり、万歳する小池百合子元防衛相(中央)ら=2016年7月31日、東京都豊島区(時事)

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