熊本で強い地震続く:死者40人超に

社会 気象・災害

本震はM7.3、阪神淡路と同規模

熊本県、大分県で4月14日から16日にかけ、非常に強い地震が相次いで発生。家屋倒壊や土砂崩れなどで18日現在、死者42人、身元不明者が10人前後出るなど大きな被害が出た。NHKによると、現地では18日朝までに震度1以上の地震が500回以上あり、最大で住民約20万人が避難した。

熊本・大分で発生した一連の地震(M5.0以上)

2016年4月14日 21時26分 M6.5 最大震度7 熊本地方
14日 22時07分 M5.7 最大震度6弱 熊本地方
15日 0時03分 M6.4 最大震度6強 熊本地方
16日 1時25分 M7.3 最大震度6強 本震、熊本地方
16日 1時46分 M6.0 最大震度6弱 熊本地方
16日 3時03分 M5.8 最大震度5強 阿蘇地方
16日 3時55分 M5.8 最大震度6強 阿蘇地方
16日 7時11分 M5.3 最大震度5弱 大分県中部
16日 9時48分 M5.4 最大震度6弱 熊本地方

nippon.com編集部まとめ

16日午前1時ごろに発生した地震は、地震の規模を示すマグニチュードが(M)7.3、震源の深さが12キロメートルで、1995年の阪神淡路大震災に匹敵する規模。気象庁はこの地震が「本震と考えられる」との見解を示している。

倒壊した家屋に取り残された人がいないか声を掛ける愛知県警機動隊の隊員=2016年4月17日午前、熊本県益城町(時事)

避難者、最大で20万人

一連の地震は14日夜に始まり、21時26分の地震では熊本県益城(ましき)町で震度7を記録。震度7の揺れは2011年3月の東日本大震災以来で、15日午前までに9人の死亡が確認された。

16日未明の地震(M7.3)は14日夜(M6.5)に比べ、地震の持つエネルギーの大きさは16倍以上。木造家屋を中心に倒壊が相次ぎ、被害が一気に拡大した。

熊本、大分両県によると、17日現在、地震による死者は42人、行方不明7人、負傷者1063人(うち重傷205人)、避難者19万9606人、住宅損壊2442棟(うち全壊400棟、半壊1266棟)。避難者は17日午後には約11万人に減った。

地震が発生し、広場に避難する人たち=2016年4月16日未明、熊本市中央区(時事)

厚生労働省は17日午後、熊本、大分、宮崎3県の25万7625戸で断水が続いていると発表した。

九州新幹線、運転再開の見通し立たず

政府は16日、自衛隊員の被災地への派遣規模を2万5000人まで増強することを決定。17日には非常食や毛布など支援物資輸送のため、米軍による空輸支援受け入れも決めた。

熊本県南阿蘇村では16日未明の地震で、大規模な土砂崩れが発生。住宅や宿泊施設などが土砂に埋まり、安否不明者が出ている。

地震で山肌が崩落した現場=2016年4月16日午後、熊本県南阿蘇村(時事)

熊本県のシンボル、熊本城は天守閣の石垣が崩壊し、建物全体が傾くなど大きな被害が確認されている。

屋根瓦や石垣が崩れた熊本城=2016年4月15日午前、熊本市(時事)

回送列車の脱線により破損した九州新幹線の軌道=2016年4月15日、熊本市[国土交通省提供](時事)

道路、鉄道も一部で通行止め、運休が続いている。JR九州では14日夜の地震で、九州新幹線の回送列車(6両編成)が脱線。レールのゆがみや施設の損傷などの不具合も多数見つかり、17日現在、運転再開の見通しは立っていない。

バナー写真:地震で崩落した黒川第1発電所の施設(手前左)=2016年4月16日午後、熊本県南阿蘇村(時事)

災害 地震 熊本