地域の食文化満載!人気駅弁ベスト5
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日本各地の郷土料理や、地元の名産品を食材にした駅弁には、旅先の「食」の魅力がぎっしり詰まっている。これまでに駅弁5000種類を食べたというトラベルライターの小林しのぶさんは駅弁の魅力と秘密を著書の中で語っている。
「日本の食材の豊富さは“世界一”だと思っています。そんな全国の豊富な食材をぎゅーっと凝縮してあるのが駅弁です。手のひらにのるほどの小さな箱の中に、十種類以上の食材と異なる調理法、味付けがなされたおかずがぎっしり詰まっている」(「この駅弁が旨い!」角川書店刊)
駅弁は、日本人にとって、地域と食を結びつける重要なキーワードだ。食情報サイト「ぐるなび」が2011年5月に人気駅弁ランキング調査を実施したところ、歴史が古く、全国的に名産品として知られる食材を使った駅弁が上位を占めた。調査によると、自分の居住する地域の駅弁に愛着を感じて投票する人が多かったが、人気上位に入った弁当は、土地のイメージと駅弁の名前が見事にマッチング。
第1位は三重県松阪駅の「牛肉弁当御膳(ぎゅうにくべんとうごぜん)」。その最大の理由は「松阪牛」のブランド力だ。おいしさは世界的に有名で、この駅弁を求めて海外からやってくる旅行者もいる。牛肉や珍しい魚介類など、料理店で食べれば高価な食材でも、駅弁ならどんなブランド牛肉もお手頃な価格で食べられる。この手軽さとおいしさが駅弁人気を支えている。
今回の調査でベスト5となった駅弁の製造元に、その人気の秘密を聞いてみた。
(画像は各製造元より提供)
1位 牛肉弁当御膳
(三重県 JR紀勢本線、近鉄山田線・松阪駅)
高級ステーキハウスや焼肉屋に行かなくても、松阪ならではの「黒毛和牛」を気軽に堪能できる。肉以外のおかずがバランスよく入っている。明治28年(1895年)創業から変わらない味。アメリカで話を聞いて買い求めに来た旅行者や、香港の駅弁ファンが日本に来るときに予約して購入するなど、海外でも知られている。(株式会社新竹商店)
2位 峠の釜めし
(群馬県 信越本線・横川駅、長野新幹線・安中榛名駅)
お湯で温めたお釜を使用し、食べるときまで「ほんのり」と温かいまま。利尻昆布と秘伝のダシで炊き上げたご飯の上に、山里の幸を使用した色とりどりの具材が添えられ、風味が豊か。益子焼の土釜の器も人気。昭和33年(1958年)の発売以来、変わらない味への長年のファンや、知名度から食べてみたいと思っている若い世代も多いようだ。(峠の釜めし本舗 おぎのや)
3位 あなごめし
(広島県 山陽本線・宮島口駅、広島電鉄・広電宮島口駅)
世界遺産・宮島の入り口にある駅で販売されている、明治34年(1901年)から続く名物弁当。穴子からとっただしで炊いたご飯と、明治時代から継ぎ足して使う秘伝のたれを使って焼き上げた穴子の旨みが経木(きょうぎ)の折箱の中で重なる。冷めるとなお一層美味。あなごめしの歴史を感じさせる箱の掛け紙は70種類以上あり、リピーターにも大人気。(有限会社うえの)