オホーツクの花名所「かみゆうべつチューリップ公園」:北海道湧別町
Guideto Japan
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元チューリップ農家の愛着から誕生した観光名所
オホーツク海に面し、サロマ湖の西側にある北海道湧別町。湧別川の上流側となる上湧別地区では、1957(昭和32)年から輸出用にチューリップを栽培し、生産量、輸出量で北海道一を誇っていた。しかし、60年代後半にオランダの球根が世界市場で値下げされると、日本からの輸出量は激減。国内需要も少なかったため、上湧別のチューリップ産業は衰退の一途をたどった。それでも、チューリップへの愛着から、庭や畑の隅で細々と栽培が続けられたという。そして76年には、「かつて町の農業に活気をもたらしたチューリップを後世に残そう」と、湧別町の「町の花」に指定されている。
7ヘクタールの畑に約200品種、100万本以上のチューリップが植えられる「かみゆうべつチューリップ公園」は、上湧別町老人クラブ連合会の老人農園から始まった。75年から200平方メートルに植え付けを始め、徐々に拡大して3000平方メートルまでになると見物客が集まるようになった。そこで、町のシンボルにしようと農園整備に着手し、オランダ風車などの施設建設も進み、88年には正式に町立のチューリップ公園となった。
かみゆうべつチューリップ公園は、売店や軽食レストラン、駐車場も整備され、公園の総面積は12.5ヘクタール。最盛期の毎年5月上旬から6月上旬までは、「かみゆうべつチューリップフェア」を開催。球根の予約販売や、畑から好きな花を直接球根ごと採取できる「チューリップ掘取体験」などが行われ、毎年約10万人が国内外から訪れている。
インスタ映えポイントがいっぱい
園内はチューリップを国花とし、生産量世界一を誇るオランダ風。足を踏み入れると、オランダ特注のストリートオルガンのきれいな音色が聞こえてくる。公園のシンボルといえる風車型展望台からは、チューリップ畑が一望できる。オランダの職人が製作した長さ225センチ、重さ300キロの巨大な木靴は記念写真ポイントとして人気で、撮影用にオランダ民族衣装も貸し出している。
電動バス「チューピット号」で広大な園内を一周し、全景を楽しんだ上で、好みのポイントをじっくり観賞するのがおすすめだ。風車の正面やデザイン花壇が定番のビューポイントだが、風車裏側の公園奥からの眺めも雄大なので足を延ばしてみてほしい。
かみゆうべつチューリップ公園
- 住所:北海道紋別郡湧別町上湧別屯田市街地358―1
- 開園時間:午前8時~午後6時
- チューリップフェア期間:毎年5月上旬から6月上旬
- 入園料:高校生以上500円、小中学生250円 ※団体割引あり
●周辺情報
ふるさと館JRY、チューリップの湯
かみゆうべつチューリップ公園に隣接する、「ふるさと館JRY(ジェリー)」は湧別町開拓の歴史が学べる博物館。1階には北海道遺産に認定されている屯田兵屋の実物があり、開拓当時の暮らしを知ることができる。2階では、湧別の屯田兵の募集から解隊までを、資料と模型などで紹介している。チューリップ公園の土地は、もともとは屯田兵の集会場と訓練場として使われていた場所。是非、こちらにも立ち寄ってほしい。
チューリップ公園から車で7分ほどの「かみゆうべつ温泉チューリップの湯」は、天然温泉につかれる道の駅。露天風呂にジェットバス、寝湯、打たせ湯など浴槽の種類が多く、サウナもあるので観光で疲れた体を癒やすにはもってこい。もちろんレストランや売店もあるので、食事や休憩、土産物探しにも利用できる。
ふるさと館JRY
- 住所:北海道紋別郡湧別町北兵村一区588
- 開館時間:午前9時~午後4時
- 休館日:月曜日(祝日の場合は開館)、年末年始
- 入館料:大人400円、高校生250円、小中学生200円 ※団体割引あり
道の駅・かみゆうべつ温泉チューリップの湯
- 住所:北海道紋別郡湧別町中湧別中町3020-1
- 開館時間:午前10時~午後10時(入浴受付は午後9時30分まで)
- 休館日:無休
- 入浴料:中学生以上500円、小学生300円、タオル貸し出し100円
取材・文・写真=克(laufen)