【サル山のボス】ライカ北紀行 —函館— 第10回
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函館弁で“なまら、あずましい”とは、“とても気持ちがよい”の意だが、そんな声が聞こえてきそうだ。サル山温泉は、なんと源泉かけ流し。長く入りすぎてボーとした顔の猿もいる。
およそ90頭の猿が暮らし、力がつよく思いやりがあり、人望ならぬ猿望があるのが、サル山のボスとなる。歴代ボスのなかで「函助」は、えばり散らさず、仲間の信頼をきずき、25年にわたって君臨した。人間でいえば100歳で大往生した日、サル山は静まり返っていたという。今のところ、つぎのボスは不在の模様だ。群雄割拠か、否、エサが充分にあるから争いもすくないとか。サル山の生命力が気になる。
どこかの国の偉いさんが、「こんな人たち」と街頭で声をあげたことがあったが、「こんな猿たち」と叫んだらサル山のボスにはなれないだろう。
●道案内
函館市熱帯植物園 市電「湯の川」下車 徒歩15分(地図)
※サルの温泉入浴 例年12月1日~翌年5月6日