神社に行こう! 神社空間を読み解く⑩神木
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神社空間は、鳥居、注連縄(しめなわ)、狛犬、本殿などさまざまなパーツによって構成されている。そこに込められた意味を知ることで、神社への理解度がぐっと深まるはずだ。この連載シリーズでは、毎週火曜日と木曜日に、鳥居から社務所に至るまで12の神社アイテムを参拝の順に紹介していく。
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「神体・神木(しんたい・しんぼく)」
本殿の中は外陣と内陣とがあって、外陣は神職が奉仕する空間、そして最奥部の内陣には神体が鎮座している。
神体は、天皇家の三種の神器に倣って、鏡を筆頭に勾玉(まがたま)・剣などを据えて、そこに祭神が依(よ)り坐(ま)すものであるが、一般の参詣者が目にする機会はない。
また、神道はもともと自然信仰であるので、自然物や自然現象そのものを神体として祀る神社もある。これらのものを神奈備(かんなび)、磐座(いわくら)、神籬(ひもろぎ)などと称する。
「神奈備」は、ひときわ秀麗な山岳を神山・霊山として信仰する。代表的なものに富士山(浅間神社)、白山(白山神社)、立山(雄山神社)などがある。
「磐座」は、とくに威厳ある巨岩を神の依り代として信仰する。代表的なものにゴトビキ岩(神倉神社)、三ツ石(三ツ石神社)、磐座(花窟神社)などがある。
「神籬」は原生の杜・森であり、その全体を「鎮守の森」として崇めるが、その中の特に際立つ巨樹を神木とし、神の依り代として信仰する。代表的なものに蒲生の大クス(蒲生八幡神社)、来宮(きのみや)様の大クス(杉桙別命神社 すぎほこわけのみことじんじゃ)、龍神木(秩父今宮神社)などがある。
(バナー写真:鹽竈神社の神木)
写真=中野 晴生
イラスト=井塚 剛
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