秋空を彩る開運招福の花火
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えびす講の祭礼に伴って行われるため、11月という花火大会としては最も遅い時期に開催される「長野えびす講煙火大会」。全国の花火大会を締めくくる同大会の1日を追った。
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花火ファン必見!
日本で最も遅い時期の花火大会として人気を集める第108回長野えびす講煙火大会が11月23日、長野県長野市の犀川河川敷で開催された。今回で108回目という歴史を誇る同大会には、澄み渡った晩秋の夜空に打ち上げられた約1万発の花火を見ようと、全国から約43万人もの観客が訪れた。花火は夏の風物詩だが、晩秋は空気が澄みわたり花火がよりクリアに見えるということで、花火ファン垂涎(すいぜん)の大会だと言われている。
大会のもう一つの見所は、日本の花火界のトップランナーである紅屋青木煙火店の青木昭夫さんの作る花火がふんだんに見られることだ。煙火師(花火師)のスターたちが属する日本煙火芸術協会の会長を務める青木さんは、文字通り“超一流の花火師”として花火ファンからの絶大な支持を集めている。この平成の花火名人の花火が大量に見られるということで、全国から花火関係者たちも集結した。
紅屋青木煙火店の花火に肉迫するのが、地元最大手で全国の花火大会の常連でもある信州煙火工業の藤原信雄さんの花火だ。まさしく火花を散らす夜空の競演と言ってもいいだろう。映像で紹介する花火は、この2人の丹精込めた作品群だ。
同大会は、毎年、長野市の西宮神社のえびす講に合わせて行われている。その昔、商売繁盛や五穀豊穣、開運招福を祈願したえびす講の祭礼は、その時期に商店が大売出しを行い大変な賑わいをみせた。明治32(1899)年に、えびすの神に感謝を捧げるとともにさらなる商売繁盛の願いを込めて、地元の有志たちが花火を打ち上げるようになった。以来、この伝統が現代まで受け継がれている。
さらにじっくりと花火を楽しみたい方はこちらをご覧ください(10分バージョン)。 バナー画像写真=泉谷玄作協力=長野商工会議所 長野商店会連合会