【動画】再度「宣言」なら感染者少ないうちに 専門家会議の「総意」

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新型コロナウイルス対策を検討する政府の専門家会議が14日、開かれた。同日夜の記者会見で、副座長の尾身茂氏(地域医療機能推進機構・理事長)は、複数の国でもウイルス対策を解除してから時間が立たないうちにクラスター(集団感染)が発生したとしたうえで「最悪の事も想定することがリスク管理」だと述べ、緊急事態宣言を再度行う場合の考え方について語った。

尾身氏はグラフを指で示しながら、「(新規感染者が)低い波ならあれ(大丈夫)だが、だんだんと危険になる可能性も無きにしも非ず」と説明。今後、緊急事態宣言を再度行う場合には「最初に出したところよりもやや(新規感染者数が)低いレベルで再指定ということをやりたい、(それが)必要なんじゃないかと言うのが会議のコンセンサス」と述べ、今後仮に第2波が来た場合には、最初に政府が緊急事態宣言を出した4月7日のときよりも感染者数や倍加時間などの水準が低い状態で「速やかに」宣言を行う必要があるというのが専門家会議の総意だと訴えた。

会見で示された「今後の地域別の対策の考え方」(専門家会議会見資料より)
会見で示された「今後の地域別の対策の考え方」(専門家会議会見資料より)

再宣言、具体的数値を盛り込めないわけ

一方、今回の提言で専門家会議は、再度宣言を出す際の目安となる数字を盛り込んでいない。これについて尾身氏は理由を2点挙げた。1点目は、再度宣言を出す時には抗原検査が普及し、状況が変わっている可能性があるという点。そして、もう1点は「悩ましい話だが」と前置きしながら、「低く(設定)するといいですよね、はやく見つけて。だけど、それやるとしょっちゅう緊急事態宣言を(出すことになり)それこそ、社会経済のバランス(が崩れる)と言うことに。遅すぎればまた今回のように国民に行動制限等々になってしまうのも避けたい。このバランス(を考える必要がある)」と話した。

解除基準「諸外国より厳しく」

今回、専門家会議がまとめた文書には「解除の考え方については、我が国では、引き続き死亡者数を少なく留めておく観点から、諸外国よりも厳しいものとする必要がある」との表現がある。

なぜ厳しくしたのかを問われると、同会議座長の脇田隆字氏(国立感染症研究所長)は「海外の例をみると、緩和をした後でどうしても流行の拡大がみられている。なるべくそういうことを避けるためにも基準を厳しくした」と説明。尾身氏も「日本は幸いにも、死亡者数がかなり低い。重症化、死亡者を少なくするのが重要で他の国より厳しくする必要があった」と語った。

(「THE PAGE」5月14日掲載。元記事はこちら

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