中国の指導者は文化の違い理解せず、ダライ・ラマ14世が会見
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[東京 10日 ロイター] - チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世は10日、日本で活動する外国メディアとオンライン形式で会見し、創立100年を迎えた中国共産党によるチベットや新疆ウイグル自治区への対応について、「文化の違いを理解していない」などと批判した。
ダライ・ラマ14世は、中国には漢民族だけでなくチベットなどの異なる民族グループがいるとした上で、「われわれは独自のユニークな文化を持っている。中国共産党の偏見を持った指導者たちは文化の違いを理解していない」と語った。多様性を反映した政策を実行すべきとしつつ、「現実は、漢民族による締め付けが強すぎる」と述べた。
その一方で、最近の中国には変化が見られるとも指摘し、「新しい世代の中国のリーダーシップの下で、(中国は)変化していくと思う」と語った。
緊張が増す中国と台湾の関係については、平和のために祈ると述べた。「台湾には漢民族、中国の文化、伝統、言語がある。台湾は中国の長い伝統文化を受け継いでいる。経済的には、台湾は中国から多くの支援を受けられるだろう。文化的には、仏教を含め、中国の兄弟姉妹たちは台湾から多くを学ぶことができる」と話した。
創立100年の節目を迎えた中国共産党は8日、第19期中央委員会第6回総会(6中総会)を開いた。異例の3期目を目指すとみられる習近平国家主席について記者から質問されたが、ダライ・ラマ14世はノーコメントだと答えた。
習主席に会う計画はないものの、「私も年を取った」として古い友人に再会するため中国を訪れたいと語った。しかし、台湾については中国との関係が「非常にデリケート」だとして訪問しない考えを示した。
このほか、アフガニスタンなどでイスラム主義組織と欧米諸国との対立が続いていることに関連し、「人間は人間として生まれるのであって、この宗教、あの宗教を信じる者として生まれるわけではない」と語った。「全ての宗教は愛というメッセージを持っている。問題は政治家や一部のエコノミストが宗教の違いを利用することにある」と述べた。
ダライ・ラマ14世は1959年、中国政府の弾圧を逃れてインドに亡命。インド北部に亡命政府を樹立した。会見はインドからオンラインで行った。
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