米議会襲撃の調査委設置、上院でも論戦 共和反対で承認は不透明

米上院では5月27日、1月6日に発生したトランプ前大統領支持者らによる議会議事堂への襲撃事件を調査する独立委員会の設置を巡り、与野党が論戦を繰り広げた。1月、ワシントンで撮影(2021年 ロイター/Leah Millis)
米上院では5月27日、1月6日に発生したトランプ前大統領支持者らによる議会議事堂への襲撃事件を調査する独立委員会の設置を巡り、与野党が論戦を繰り広げた。1月、ワシントンで撮影(2021年 ロイター/Leah Millis)

[ワシントン 27日 ロイター] - 米上院では27日、1月6日に発生したトランプ前大統領支持者らによる議会議事堂への襲撃事件を調査する独立委員会の設置を巡り、与野党が論戦を繰り広げた。

民主党は、共和党に独立委設置を支持するよう促したが、採決を前に十分な支持は得られそうにない状況だ。

上院民主党ナンバー2のダービン議員は「共和党員の多くは、この事件をあおった人物であるトランプ氏を恐れている」と指摘した。

共和党は、議会委員会の調査や、すでに440人以上の逮捕につながっている司法省の大規模な調査を踏まえ、独立委によるさらなる調査は不要との立場だ。

また同時に、2022年の議会選に向けて選挙活動が活発になる中でトランプ氏と襲撃事件に焦点が当たることにも懸念を示している。

共和党のマコネル上院院内総務は「前大統領の役割については、数カ月前に行われた注目の弾劾裁判で徹底的に議論された。民主党指導部が望むような外部『委員会』が、重要な新事実を明らかにしたり、癒しを促進したりするとは思えない」と述べた。

これに対し、民主党のマンチン上院議員は来年の議会選でのダメージを避けるために共和党は反対していると非難した。

独立委を設置する法案は先週、下院を通過している。民主党員全てに加え、共和党員の6人に1人が支持に回った。

だが、上院では法案の審議に支持を表明している共和党員はこれまでのところ、わずか3人にとどまっている。

上院の議席配分は与野党50ずつで、民主党がかろうじて過半を握る。民主党員は全員が委員会の設置を支持しているが、規則により法案を前進させるためには60票の賛成が必要で、共和党からは10票の支持を得る必要がある。

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