富士山吉田ルートに2000円の通行料 : 登山者数1日4000人に規制

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日本のアイコン的存在である富士山。海外からの観光客の人気も高いが、ご来光目当ての弾丸登山や十分な装備をしない軽装登山などが問題となっている。山梨県は今夏から2000円の通行料を徴収する。

混雑対策と安全確保で富士山に通行料

山梨県は4月17日、今夏から富士山五合目登山口の吉田ルートにゲートを設置し、2000円の通行料を徴収すると発表した。通行料は、山中での安全誘導、巡回指導、通訳等の外国人サポートに活用する。従来から実施している任意の保全協力金1000円と合わせて、1人当たり最大3000円の負担となる。

富士山には外国人を含む観光客が集中。山頂でご来光を見るため、夜間に多くの登山者が訪れ、過度の混雑が発生したり、山小屋で十分な休憩を取らない「弾丸登山」者が途中で体調を崩して救護を求めるなどの問題が発生している。

登山口のゲートは午後3時から午前4時まで閉鎖する。午後3時前であっても、1日の登山者数を4000人を超えた時点で閉じる。山小屋宿泊者は通行規制の対象外。

環境省によると、2023年の富士山登山者数は約22万1000人で、コロナ禍前の2019年の約23万6000人の94%の水準。吉田口からの登山者が全体の62%を占めた。

富士山頂でご来光を待つ登山者(PIXTA)
富士山頂でご来光を待つ登山者(PIXTA)

バナー写真:登山者で込み合う富士山吉田口登山道5合目(2023年9月2日、山梨県富士吉田市)(時事)

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