【180ºVR動画】秋葉原編:最新家電と“萌え”を目当てにインバウンドが押し寄せるポップカルチャーの発信地
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◆180度VR動画の楽しみ方◆
- PCで視聴する場合は、カーソルの操作でアングルを180度に向けることができる。
- スマートフォンやタブレットのYouTubeアプリで視聴する場合は、デバイスの向きと映像の視点が連動する。また、スワイプ操作でもアングルを変更可能。
※ iOS及びIPadOSでは、VR動画をブラウザ上で再生するとアングル操作ができなかったり、3D動画が2画面のまま表示される場合があります。 - VRゴーグルやヘッドセットを利用すると、3Dでの観賞も可能になり、より没入感が得られる。
家電の街が「クール・ジャパン」の中心地へ発展
東京の中心部、千代田区内のJR秋葉原駅の西側1キロ四方には、巨大な家電量販店からマニアックな電子部品を扱う小規模ショップまでが集積する。地名の秋葉原は駅から少し離れた台東区にある2街区ほどの狭いエリアだが、多くの人が「秋葉原」と聞いてイメージするのは電気街の方だろう。
街でひときわ目を引くのが2次元キャラクターの看板で、アニメやゲーム、フィギュア、アイドルグッズなどの専門店も数多い。「アキバ」の略称と共にオタク文化の聖地として知られ、近年は国際的な観光スポットになっている。
秋葉原は元々、明治初期に設置された火よけ地だった。火災の延焼を防ぐための原っぱで、火災鎮護の「秋葉神社(あきばじんじゃ)」があったことから、一帯を秋葉原(あきばはら、あきばっぱら)と呼んだそうだ。鉄道が通ると秋葉原(あきはのはら、後に「あきはばら」に変更)が駅名となったことで、その名が庶民に浸透していったという。「アキハ」ではなく「アキバ」と略すのは、原点回帰なのかもしれない。
秋葉原に電気街ができたのは、戦前から戦後にかけて駅前にラジオパーツ店が集まり始めたのが発端で、高度成長期にテレビや冷蔵庫などの需要が高まると、家電量販店が一気に増加。「メード・イン・ジャパン」が世界を席巻した1980年代には、家電が安くて品ぞろえ豊富な秋葉原に訪日客まで押し寄せ、大型店はこぞって免税品売り場を設けた。それと同時に、マニア向けの電子部品専門店や解体部品を扱うジャンクショップも、続々と誕生していく。
94年にはPC関連の売り上げが家電製品を上回り、翌年の「Windows95」発売を契機に“マルチメディアの街”へと変貌。自作PCやゲームのマニア御用達となったことで、親和性の高いポップカルチャー分野の店が目立つようになった。
現在、観光客は買い物と共に、オタク文化の“体験”を楽しみに訪れる。一番のお目当ては、アキバ発祥の「メイド喫茶」だ。アニメに登場するようなメイド風の衣装をまとったウエートレスが、「ご主人さま」「お嬢さま」と呼んでもてなしてくれる。
2004年創業の古参「あっとほぉーむカフェ」は、外国人にも人気で客の3割を占めるという。メイド喫茶から派生して、店員が「プリンセス」「男装の執事」「忍者」「アイドル」「(人間になった)ネコ」などに扮(ふん)した「コンセプトカフェ(略称・コンカフェ)」も急増しており、合わせて200軒に上る店で多種多様な世界観を楽しむことができる。
架空のキャラクターや設定に愛着が芽生えることを、オタクは「萌え」と表現する。“オタクの街”“萌えの街”というイメージが秋葉原に定着したのは、2005年がターニングポイント。小説『電車男』が映画やTVドラマとなり、日陰の存在だった「アキバ系オタク」にスポットライトが当たった。ユーキャン流行語大賞トップテンに「萌え〜」が選出され、授賞式には「あっとほぉーむカフェ」のメイドたちが登壇。後にトップアイドルとなるAKB48が秋葉原の劇場を拠点に活動開始したのもこの年だ。
電気街の主力は「メード・イン・ジャパン」の電化製品から、「クール・ジャパン」のコンテンツへと移ったが、今でも昭和の面影をとどめるジャンクショップは健在だ。最先端とレトロが共存する景観もまた、混沌(こんとん)としたアキバならではの魅力。世界に類のない街並みとメイド喫茶の疑似体験を、180度VR3D映像でご堪能ください。
撮影協力:あっとほぉーむカフェ(外部サイト)
文=ニッポンドットコム編集部