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犯罪白書:23年の刑法犯認知件数、2年連続増加 「闇バイト」の影響か?強盗事件1300件超発生

社会

「匿名・流動型犯罪グループ」(トクリュウ)がSNSで「闇バイト」を募集して行う犯罪が、大きな社会問題になっている。統計上も、強盗や詐欺の発生件数は増加している。

法務省が公表した2024年版犯罪白書によると、23年1年間の刑法犯認知件数は70万3351件と前年比10万件以上増加した。増加は2年連続。うち窃盗が48万3695件と、全体の7割近くを占めた。

殺人の認知件数は912件(前年比59件増)、強盗は1361件(同213件増)、詐欺は4万6011件(同8083件増)だった。

刑法犯――認知件数・検挙率の推移

刑法犯の検挙件数は26万9550件。前年より1万9200件増え、2004年以来19年ぶりに増加に転じた。このうち不正アクセス禁止法違反を中心とするサイバー犯罪の検挙件数が1万2479件、若者へのまん延が懸念されている大麻取締法違反が8232件で、いずれも統計を取り始めて以降、過去最多を記録した。特殊詐欺の検挙件数も7212件と、前の年より572件増えた。いずれもネットや電話を使った犯罪で、「トクリュウ」が関わっている例も少なくない、と白書は指摘する。

刑法犯の検挙率は前年より3.3ポイント減少し、38.3%だった。

刑法犯 検挙人員の罪名別構成比

検挙者の総数は18万3269人。うち初犯者は9万7170人、再犯者は8万6099人だった。

検挙者のうち再犯した人の割合を示す再犯者率は、前年より0.9ポイント低下して47.0%。再犯者率は近年一貫して増え続けていたが、21年から3年連続で減少した。

再犯者率の推移

少年(14歳以上20歳未満)による刑法犯検挙人員は、3万4768人(前年比16.3%増)だった。

バナー写真:子ども3人と女性が死亡した現場周辺で、現場検証に臨む警視庁の捜査員ら=2024年5月24日、東京都品川区(時事)

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