社長の高齢化進み平均60.5歳―帝国データ : 後継者難も深刻
経済・ビジネス 仕事・労働
帝国データバンクの全国の社長年齢分析調査で、社長が後進に道を譲る平均年齢は68.7歳と、70歳に迫る高水準。団塊世代が75歳以上となる「2025年問題」がすぐそこまで迫り、事業承継が一層の課題となりそうだ。
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帝国データバンクの調査で、2023年時点の全国の社長の平均年齢は60.5歳だった。前年から0.1歳アップし、33年連続で過去最高を更新した。調査は同社が持つ全国147万社のデータから、個人や非営利、公益法人などを除いた企業社長の情報を抽出して集計・分析した。
社長の年代別割合は、50代が構成比29.2%で最も多く、60代が26.6%、70代が19.9%。80代以上の社長も5.3%いた。60代以上が過半数を占める一方で、40歳未満は3.1%にとどまる。
都道府県別では秋田県が62.5歳(前年比+0.1歳)で最も高かった。次いで岩手県(62.4 歳、同+0.1歳)、高知県(62.3歳、同+0.2歳)が続いた。東北地方は6県すべてが全国平均の60.5歳を上回った。一方、平均年齢が最も低かったのは三重県(59.4歳、同+0.3歳)で、2017年から7年連続。全体的には「東高西低」の傾向。
47都道府県で社長平均年齢が前年から低下した地域はなく、地域を問わず社長の高齢化が進行している。社長平均年齢が60歳を下回ったのは8県にとどまった。
社長交代時の平均年齢は68.7歳と、70歳に迫る高水準だった。帝国データバンクが集計した2023年度の後継者難倒産は586件で、その主な要因として「代表者の病気・死亡」が占める割合が4割を超えている。社長が高齢化し事業承継への着手が遅れた場合、承継が間に合わないケースや、十分な引き継ぎができず承継後に経営が行き詰まる懸念も指摘されている。
バナー写真:PIXTA