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6割の企業で賃上げの見込み―帝国データ調査 : 残業規制の運輸・倉庫業界は63.7%

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2024年春闘。コロナ禍収束で、企業の好業績が続く中、物価上昇から生活を守るために多くの労組が過去最高水準の賃上げを要求。一部では、早くも満額回答など明るい話題も出ている。帝国データが毎年1月に実施している企業の賃金動向調査では、6割の企業が賃上げを見込んでいた。

帝国データバンクが毎年1月に実施している企業の賃金動向調査で、24年度に正社員の賃金改善が「ある」と見込む企業は、過去最高の59.7%となった。この割合は3年連続の増加で調査開始以来の最高となった。一方、「ない」企業は13.9%と前回調査から 3.4ポイント低下した。調査は2024年1月、2万7308社を対象に実施し1万1431社から回答を得た。

賃金改善の見込みの推移

従業員数別では、いずれの規模でも前年より賃上げを見込む割合が増えており、「6~20人」「21~50人」「51~100人」「101~300人」では6割を超えた。一方、「5人以下」では賃上げ見込みが初めて4割台に達したものの、賃上げしない割合も31.6%と突出して高かった。

業界別では「製造」64.7%が最も高く、「運輸・倉庫」63.7%と「建設」62.5%が続く。2024年4月から時間外労働の上限規制が始まるトラックドライバーや建設業界などで賃金改善を実施する企業の割合が昨年より高まっている。

従業員数別の賃金改善の見込み

業界別の賃金改善の見込み

賃上げの中身は、「ベースアップ」が53.6%となり、初めて半数を上回った。「賞与(一時金)」が27.7%となった。

賃金改善の具体的内容

調査では総人件費の変動率も各企業に尋ねており、そこから従業員の給与は平均4.16%増加すると試算した。総務省統計局によると消費者物価指数(総合指数)は2023年平均3.2%の上昇だった。試算通りであれば家計はちょっぴり楽になるかもしれない。

バナー写真:PIXTA

経団連 賃上げ ベースアップ 春闘