Japan Data

遺言書 : シニア世代、年齢を重ねるほどに現実逃避?―オーセンス法律事務所

家族・家庭 社会

誰もがいつか必ず死ぬと分かっていても、なんとなく現実を直視したくなくて「まだ先のことだろう」と考えてしまう。大した財産もないのに遺言書なんて仰々しいと思っている人も多そう。シニア世代でも、遺言書を用意する気がある人は全体の3分の1程度にとどまる。

高齢化が進み、多死社会に突入しつつある日本。死後、遺産をどのように次世代に引き継ぐのか、オーセンス法律事務所がウェブアンケート調査などを基に「遺言書年報2023」をまとめた。

シニア世代(50代以上)で遺言書について「前向き(とても前向き+どちらかといえば前向き)」の印象を持っている人は全体で65.5%。年代別では、50代が71.3%、60代64.6%、70代は55.8%。現実逃避なのか、世代が上がるほど「前向き」度合いが低下している。

遺言書に対する印象

遺言書を作成予定が「ある」はわずか8.5%で、「どちらかといえばある」25.1%を合わせても全体の35.6%にとどまった。遺言書を作成しない3大理由は「自分の遺産が少ない」「まだ元気だから」「まだ自分事ではないから」だった。

死期を意識することの少ない世代はさらに遺言書作成以降は低く、20-40代全体で27.1%だった。

遺言書を作成する予定(50代以上)

遺言書を作成する予定(20~40代)

子どもに遺言について「すでに話している」割合は年齢とともに増加し、70代では18.3%。「話したい」「話すつもり」も含めると62.5%。しかし、遺言について「すでに話している」人の約半数は、遺言の作成意向が「ない」とも回答。矛盾が生じており、日本人の遺言書作成意向の低さがみて取れる。

遺言について子どもとの会話意向

バナー写真 : PIXTA

高齢化 高齢化社会 高齢社会 遺言 エンディングノート