へとへとで 子どものお迎え 汚れたおむつ持ち帰る不条理 : 3割の市区町村で保護者負担残る―BABY JOB調査
社会 仕事・労働 家族・家庭
残業できない分集中して仕事して、なんとか時間内に切り上げて、走って保育園にお迎えに行く。仕事のカバンを肩にかけ、子どもを抱っこし、汚れたおむつの袋がずしりと身体だけでなく心にこたえる。
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保育支援サービスのBABY JOB(本社大阪市)が実施した調査で、公立保育施設がある全国1452の市区町村のうち約3割・409市町村が使用済みおむつを保育施設で廃棄せず、保護者に持ち帰らせていた。22年調査と比較すると、167市町村が持ち帰りから園内廃棄に変更したが、依然として地域差による保護者の育児負担に格差が存在している。
おむつの持ち帰りは、保護者の負担になるばかりでなく、保育所のスタッフにとっても子こどもごとに分別して管理する手間がかかる。厚生労働省は1月23日に、使用済みおむつの保育所での処分を推奨する通達を出している。
おむつ持ち帰りの409市町村のうち、318は「変更予定」「検討中」「今後検討予定」と回答したが、64市町村は依然として「園廃棄への変更予定はない」と回答した。
おむつを持ち帰らせる理由としては、「子どもの体調管理」(164自治体)が最も多く、「慣例的に」「ごみの保管・回収に支障」が続いた。具体的な声としては、「トイレトレーニングの進捗を保護者に把握してもらうため」「週1回しかごみの回収がないため、保管場所や臭いの発生などの問題がある」などが寄せられた。また、一部には「おむつの交換数を知るため、持ち帰りたい」という保護者もいるという。
おむつを持ち帰らせている割合が高い都道府県
順位(前年順位) | 都道府県 | 持ち帰り率(前年比) |
---|---|---|
1 (10) | 宮崎県 | 60% (±0%) |
2 (2) | 長野県 | 56% (-29%) |
3 (6) | 山口県 | 56% (-11%) |
出所 : BABY JOB
調査は2023年2月~3月にかけて、公立保育施設がある1452市区町村の保育課に電話で聞き取りした。
バナー写真 : PIXTA