少子化の深淵 : 「性交経験なし、交際望まない」が増加― 2021年出生動向基本調査
ジェンダー・性 社会 暮らし
「恋人いない、ほしくもない」―国立社会保障・人口問題研究所の調査で、未婚・晩婚どころか、交際したことがない、セックスしたことがない、交際を望まない人が増えていることが明らかになった。このままでは、少子化どころか…国が消えてなくなるかも?
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少子高齢化が深刻化する日本。政府は少子化対策として子育て支援や、女性の就労環境の改善などに取り組むが、そもそも、若者は結婚どころか、恋人を持つことにも興味を失いつつあるのかもしれない。
国立社会保障・人口問題研究所が2021年6月に実施した「出生動向基本調査」で、独身者に異性の恋人との交際経験を聞いたところ、18~19歳では男女とも交際経験はほぼ半々。20歳以上の年齢層でも女性で30%前後、男性では40%近くが「交際経験なし」だった。
「性交経験のない人」の割合の推移を見ると、女性は90年代から2000年代初頭にかけて減少(=経験者は増加)したものの、2005年以降、再び、未経験者が増加。2021年調査では、20~24歳の52.6%、25~29歳の35.0%。30~34歳の39.7%が経験なしだった。男性も、2005年以降、性交経験なしが増加傾向にある。
交際相手がいない(異性の友人/恋人、婚約者のいずれもいない)割合も、2010年、2015年調査と比べて増加傾向にある。2021年は女性で64.2%、男性で72.2%が交際相手なし。さらに、男女ともに3人に1人は「特に異性との交際を望んでいない」と回答している。
「出生動向調査」結婚や出産についての意識を調べるため5年ごとに実施。今回はコロナ禍が影響して1年延期されたため、前回調査との間が6年となっている)。2021年調査は、独身者1万4011人と、初婚同士の夫婦9401組が対象。このコンテンツは、独身者への調査項目から抽出して作成している。
バナー写真: PIXTA