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友だち少ないと、学びや成長を実感できない―ベネッセの大学生実態調査

教育 社会

ゼミの研究発表の前には仲間とディスカッションを重ね、学食で友だちとおしゃべりしながらランチを食べ、サークル活動で汗を流した後には居酒屋で盛り上がる―新型コロナウイルス感染症の影響で、かつては当たり前だったキャンパスライフが送れなくなった大学生の実態をベネッセが調査した。

ベネッセコーポレーションの「大学生の学習・生活実態調査」で、コロナ禍のキャンパスライフは友人関係を築きづらく、充実感を得られていないことが明らかになった。調査は2021年12月、インターネットを通じて全国の大学1~4年生4124人から回答を得た。ベネッセでは同様の調査を08年から4~5年おきに実施しており、今回で4回目。

友だちの数について聞いたところ、「話したり、一緒に遊んだりする」当たり障りのない付き合いをする友人関係はそこそこあっても、「悩み事を相談できる」「社会の課題などについて議論する」「学習やスポーツで競い合う」友だちについては、全体の8割近くがいたとしてもせいぜい2~3人と回答。いずれのタイプの友人も、16年調査時に比べて「0=いない」の割合が増えている。

友だちの数を基準に、回答者を3分の1ずつに分割すると、友だちの数が「少ない群」は「多い群」に比べて「学びの充実」「成長」を実感できていない傾向があった。

成長実感を学年別にみると、大学2年生(20年度入学)は成長を「実感しない」と答えた割合が39.6%で、他の学年と比べると16年調査からの落ち込みが顕著だった。

新型コロナウイルスの流行が始まり、最初の緊急事態宣言が出たのは20年4月。外出禁止、人との接触極力回避が求められ、入学式中止、授業はリモート、サークル活動禁止など、憧れのキャンパスライフとは程遠い生活をいきなり突き付けられた学年だ。

ベネッセでは、「20年度入学生を大学がどう送り出し、社会がどう受け入れるか、支援策の検討と実行が急がれる」と指摘している。

バナー写真 : PIXTA

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