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21、22年の都内オフィスビル供給は過去最低水準 ―森トラスト調査 : 今後の中心は港区

経済・ビジネス 社会 都市

いまだコロナ禍が収束したとは言えない状況だが、閑散としていたオフィス街にも人が増え、活気が戻りつつある。人口減やリモートワーク制度の導入は今後のオフィスでの働き方にどのように影響するのだろうか。

不動産開発の森トラスト(本社・東京都港区)の、「東京23区大規模オフィスビル供給量調査」によると、2021年の大規模オフィスビル供給量は61万平方メートルと、過去20年で最も少なかった。過去20年間平均の115万平方メートルの半分程度にとどまった。22年はさらに少ない49万平方メートルに落ち込む見通し。

供給エリアは、千代田、中央区、港区の都心3区の割合が圧倒的に大きい。22-26年は3区合計が76%で、中でも港区の割合が全体の5割。港区内の地区別では、「虎ノ門・新橋」が群を抜く。

一方、21年の中規模オフィスビル供給は7万4000平方メートルで3年連続で前年実績を下回ったが、22年は一転して、12.1万平方メートルとなる。22-23年の区別の供給割合は千代田区、中央区、港区の都心3区で全体の53%を占める。

2022年以降竣工の主な大規模オフィスビル(5万平方メートル以上)

2022年

プロジェクト名(ビル名) 所在地 事業主体 階数(地下)
東京ミッドタウン八重洲A-1街区 中央区八重洲 三井不動産他 45(4)
九段会館テラス 千代田区九段 東急不動産他 17(3)

2023年

プロジェクト名(ビル名) 所在地 事業主体 階数(地下)
虎ノ門・麻布台地区再開発 メインタワー 港区虎ノ門 森ビル他 64(5)
虎ノ門・麻布台地区再開発 西棟 64(6)
虎ノ門・麻布台地区再開発 低層棟 8(3)
虎ノ門ヒルズステーションタワー  A-1街区 港区虎ノ門 森ビル他 49(4)
東京三田再開発プロジェクト オフィスタワー 港区三田 住友不動産他 42(4)
渋谷駅桜丘口地区 A街区A1棟A2棟 渋谷区桜丘町 東急不動産他 39(4)
渋谷駅桜丘口地区 B街区B棟 渋谷区桜丘町 東急不動産他 29(2)
田町タワー 港区芝 田町ビル、徳栄商事、三菱重工 29(2)
西新宿5丁目北地区 A棟 新宿区西新宿 住友不動産他 33(2)
五反田計画 品川区五反田 日本郵政不動産 20(3)

2024年

プロジェクト名(ビル名) 所在地 事業主体 階数(地下)
東京ワールドゲート赤阪 港区赤坂 森トラスト・NTT都市開発 43(3)
赤坂二丁目計画 港区赤坂 積水ハウス・日本生命 28(3)
新TODAビル計画 中央区京橋 戸田建設 28(3)

2025年

プロジェクト名(ビル名) 所在地 事業主体 階数(地下)
内神田一丁目計画 千代田区内神田 三菱地所 26(3)
東京駅前八重洲一丁目東B地区再開発 中央区八重洲 東京建物 51(2)
西新宿一丁目地区プロジェクト 新宿区西新宿 明治安田生命 23(4)
虎ノ門二丁目地区再開発事業事務棟 港区虎ノ門 都市再生機構 38(2)
豊洲4-2街区開発計画B棟 江東区豊洲 三菱地所・IHI 15(1)

2026年

プロジェクト名(ビル名) 所在地 事業主体 階数(地下)
日本橋一丁目中地区C街区 中央区日本橋 三井不動産・野村不動産 52(5)
飯田橋駅東地区第一種市街地再開発事業 千代田区飯田橋 飯田橋駅東地区市街地再開発組合 24(2)

注 : 大規模オフィスビルは延べ床面積1万平方メートル以上のもの(店舗、ホテル、住宅などとの複合用途ビルの場合、オフィス用途部分に限って集計)。中規模オフィスビルは5000平方メートル以上、1万平方メートル未満。

バナー写真 : 港区虎ノ門二丁目の再開発(PIXTA)

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