夏の水難事故:2021年は前年比53件減の451件(7〜8月)、山の遭難は増加
社会
新型コロナ感染拡大で、今夏のレジャーの人出はいま一つ。水難事故は減る一方、山の遭難は前年より増加した。
- English
- 日本語
- 简体字
- 繁體字
- Français
- Español
- العربية
- Русский
警察庁がまとめた2021年7~8月の全国の水難事故発生件数は、前年同期比53件減の451件だった。水難者は同51人減の565人。うち死者・行方不明者は50人減の212人で、中学生以下の子どもは16人。件数、水難者数ともに過去5年間で最少となった。新型コロナウイルスの感染が夏場に拡大し、海や川のレジャーを控える傾向が強まったことが背景にあるとみられる。
水難者を場所別にみると、海が34人減の295人、河川が18人減の203人で、行為別にみると、「水遊び」が6人減の142人、「水泳」が3人減の86人、「魚とり・釣り」が50人減の80人。死者・行方不明者を場所別にみると、海が20人減の94人、河川が25人減の87人。新型コロナウイルス対策で閉鎖された海水浴場での水難者は52人で、うち死者・行方不明者13人だった。
発生件数を都道府県別にみると、静岡が最多の35件で、以下、北海道と沖縄の各22件、茨城の21件、東京の19件などが続いた。
一方、同時期に警察庁がまとめた今年7~8月の山岳遭難件数は、前年同期比63件増の533件となった。遭難者は56人増の597人で、うち死者・行方不明者は1人減の46人。過去5年間は件数、遭難者数ともに減少傾向だったが、今年は増加に転じた。
昨年はコロナ下で登山道の閉鎖や山小屋の休業が相次いだが、今年は再開した山も多く、さらに梅雨明けが早まったことなどから、登山客が増えた可能性がある。
遭難者を様態別にみると、「道迷い」が179人と最多で、次いで「転倒」が121人、滑落が99人となっている。年齢層別では、50、60代がそれぞれ123人と最多で、以下、70代が109人、40代が81人の順となっている。
バナー写真:PIXTA